ちくま学芸文庫<br> 三国志実録

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ちくま学芸文庫
三国志実録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 198p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480083319
  • NDC分類 923.5
  • Cコード C0198

内容説明

群雄割拠した「三国志」時代の悪玉・曹操の詩才に注目して、さまざまな史料を駆使し、人となりや作品を吟味した「曹氏父子伝」、曹操の才能溢れる二人の息子、父の後に帝位に就いた曹丕と、才能に恵まれつつ兄に冷遇された弟・曹植、兄弟の運命と文学的交遊や作品を描き出す「曹植兄弟」の2作品を収録。

目次

曹氏父子伝
曹植兄弟

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mikio

7
漢の時代までの長大な韻文の賦から、楽府の中心のリズムである五シラブルのリズム、それを一行とする詩形、いわゆる五言詩が以後数百年にわたる中心的な表現形式となる。そのきっかけを作ったのは、実に曹操およびその一党である。更につきつめていえば曹操その人である。少し誇張していえば、もし曹操がいなかったら、陶淵明、杜甫、李白の文学は、生まれなかったかも知れぬ。生まれたにしても別の形をとったであろう。(P24)2022/06/11

BIN

6
曹操親子+建安七子(なぜか王粲と劉楨は詳述しない)という人物について叙述されたもの。漢詩がよく取り扱わている。まだ曹操について悪者扱いしかされてないような頃に書かれたものだから新鮮だったのかもしれない。陳琳や阮瑀は檄はともかく詩がいまいちというのは印象的。三国時代の詩に触れたい人にはいいかも。2017/05/03

GEO(ジオ)

5
本当に何年かぶりに再読。中国文学の世界では非常に有名な著者による中国三国時代に興った「建安文学」の本。長らく悪役として知られてきた曹操や、魏の初代皇帝・曹丕、李白や杜甫と並ぶ中国文学の神様・曹植といった「三曹」を中心に、この時代の文学作品やその背景を描いている。面白かったのは「建安七子」の一人で、この時代の代表的な文人の一人、陳琳の作品が曹丕や曹植にくそみそにこき下ろされていること。陳琳の文才はきっとコピーライターみたいなものだったんだろうなあ。2014/12/10

出世八五郎

3
講談社学術文庫の竹田晃氏の曹操伝とはそうそう内容は変わらない。ほぼ被ってると言ってよく、違いはあるけどそうそう大差ない。

キムチ27

2
「実際」というナイフで。「演技」を料理。とはいえ、「曹操と2人の息子」に限っての内容。 ほぼ半世紀前の執筆とはいえ、吉川氏の舌鋒は明快。 書かれた本自体が1900年程前の事だから、つい「この間」書いた文といえるかも。 古今東西(といっても圧倒的にアジア圏が多いだろうが)を沸かせた三国志の膨大な世界・・その圧倒的虚構の世界に「砂中の砂粒」を手に取るが如く、「曹操らの実像」を描いて、その時代のエトスを克明にしている。彼としては「こうやって全体像を現出」せしめる一環 にするが為・・とこれまた、推測。2012/10/04

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