ちくま学芸文庫
国家と革命

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  • サイズ 文庫判/ページ数 274p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480086570
  • NDC分類 309.3
  • Cコード C0110

内容説明

本書は、第一次世界大戦という“帝国主義戦争”のただ中に執り始めた国家論ノートをもとに、10月革命直前の地下潜伏期間に書き上げられた。国家を「階級間の抜きがたい対立の産物」で、「抑圧された階級を搾取する道具」ととらえるレーニンの主張は、マルクス=エンゲルス以上に国家の階級性を強調したものであった。「社会の実験の時代」を体現した本書は、その欠点をも含め、いま一度読み返されるべきであろう。マルクス主義古典の新訳。

目次

第1章 階級社会と国家
第2章 国家と革命 一八四八‐一八五一年の経験
第3章 国家と革命 パリ・コミューン(一八七一年)の経験 マルクスの分析
第4章 続き エンゲルスの補足的注釈
第5章 国家死滅の経済上の原理
第6章 日和見主義者によるマルクス主義の卑俗化

著者等紹介

レーニン,ヴラジーミル・イリイッチ[レーニン,ヴラジーミルイリイッチ][Lenin,Vladimir Il’ich]
1870年、ボルガ川中流のシンビルスク生まれ。ロシアの10月革命(1917)を指揮して、ソ連社会主義体制を創設した。1924年死去。死後、遺骸は永久保存措置をされ、赤の広場に安置・公開されている

角田安正[ツノダヤスマサ]
1958年、山口市生まれ。1983年、東京外国語大学大学院地域研究所研究科修士課程修了。1994‐96年、在ロシア日本国大使館専門調査員。現在、防衛大学校助教授
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感想・レビュー

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またの名

12
社会主義勢力はかつて過ちを犯した。自国の労働者のためにと叫びながら戦争支持の愛国心に身を任せた過ちが一つ。もう一つは、戦争遂行に迎合した左派を非難し、いかなる国家も抑圧機構なので革命後のプロレタリア国家さえも必ず死滅に至るよう設定しなければならないと説いたレーニンの言葉を、結局実行できなかった過ち。マルクスは平等を主張したのではなく、個々人には強い人も弱い人も独身や既婚もいて常に不平等だから不平等な分配を求めたなど面白い解釈もあるのに、資本主義での羨望や競争心がそのうち消える性質と考えたのもミスだったか。2017/12/23

くらーく

0
今から見れば、何故革命などと思うのですが、時代が作ったのでしょうな。現体制を壊せば、良い体制が出来るとは限らず。ロシアの共産革命は愚かな官僚主義に変わっただけと言う話。そこまで考えが至らず、ひたすら打倒を目指した結果が、今のロシアと言うと言いすぎか。2016/07/22

せみ

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日和見主義者どもを粉砕し、徹底的な階級闘争、国家廃絶、プロレタリア独裁、暴力革命を高らかに謳いあげるマルクス・レーニン主義のバイブル。レーニンのアクチュアリティなるものが、この暴力的で過激な非妥協性・非順応性にあるとしたら、繰り返し読まれるべき本です。しかしそれは同時に、この本の後で、国家の死滅への過渡期とされたソヴィエトで何が起こったのかもはっきりと見据えながら遂行されなければならないでしょう。旧抑圧者のブルジョアジーを抑圧し、絶滅させたあとの血の海の上に現れたのが、官僚国家だったというのは皮肉です。2011/08/08

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