出版社内容情報
世界はなぜ仲良くならないのか。 なぜ数え切れないほどの人々が命を失い、ケガをし、 住むところを奪われ、苦しい暮らしをさせられているのか。 こうした疑問を抱いたことはありませんか。 この本では、こうした疑問を一緒に考えていきます。 最後のページを読み終わったところで、 今までは靄がかかっていた世界が、新しい眼鏡をかけたように すっきり見える気がしていただけたら、それ以上の望みはありません。 では、自分たちが生きている世界を、 自分の目で発見するための旅に出かけましょう。
「はじめに」より
内容説明
「暴力の連鎖」を解くために、みんなが知るべきこと、考えるべきこと。国際政治学者のちはる先生が、やさしく解説。
目次
第1章 安全な世界と危険な世界
第2章 暴力の構図
第3章 紛争の地図
第4章 暴力を抑えるルール
第5章 暴力を止める方法
著者等紹介
竹中千春[タケナカチハル]
1957年東京生まれ。1979年、東京大学法学部卒。東京大学法学部助手などを経て、現在、明治学院大学国際学部教授。専門は国際政治・インド現代政治。特に、ガンディーと非暴力主義・ナショナリズム・ポストコロニアルな歴史・ジェンダーに関心を持つ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
29
2004年刊。タイトルやイラストの印象とは異なる平和学的内容でした。/戦後の日本で育った私たちの中の多くの人々は、「人間は平等である」という考え方を、学校や社会の中で繰り返し聞かされているので、当たり前の規定だと思っています。/そうなのかな。2004年ならリアリティあったかなあ。2019/06/19
Yoshihiro Yamamoto
5
A BS11報道ライブ21に出演し、寺島実郎と対談したのを見て、随分と説得力があるなぁと思い、著作を調べて図書館で借りた。この手の話は、理想論・抽象論に走りがちだが、著者はこの世界を「安全で豊かな世界」と「危険で貧しい世界(無政府、無法・無秩序)=非市民社会」とに分けて考える手法をとり、暴力の構図を説明する。暴力を6つの要素(人・ネットワーク・情報・資金・武器・そして『信念』)に分け構図を分析していくのが斬新だ。そしてこの6つの要素のうち、武器を非暴力の武器に置き換えれば「平和への構造」となることを解く。2016/02/02
obje
4
★★★☆☆ 軽い感じのタイトルだが中身は相当ヘビー。しっかり、じっくり読み進めて理解していく必要がある。何故暴力連鎖は無くならないのか、それを止めるために一人ひとりがどう考えて行動すれば良いのか等、色々考えさせられる内容。2018/03/19
うぉんばっとう
2
感銘を受けたというレベルではなく、自分に何ができるかと深く考えさせられた。 僕らは武器を持たない。 でも平和を望む心がある。 心の連帯は身近な社会から始めてもいいじゃないかと思った。2015/11/28
瑠璃
1
★★★☆☆ 紛争や暴力の仕組みや原理などを平易な言葉かつできるだけ分かりやすく解説している本。 ただ、思想的には結構いわゆる左翼思想に偏っているように感じた。 しかし、このような問題を自分の問題として考え、結論を出し、その結論に責任を持つことに関しては、思想の左右に関係なく重要なことである。 また、出帆が2004年のため今とは状況が違うことも多いので、そこは要注意だが、概念等は変わっていないため、考える材料の1つとしては有効かと。2020/06/23