内容説明
「良書」と「愚書」をどう見分けるのか。新刊書店における心得、古本屋での作法、読書勘の養いかた等、当代きっての読書人が、半生の苦心と努力を綴った書き下ろし―。
目次
1 最初の二冊
2 斎藤孝『読書力』の検討
3 次に買う二冊
4 読んだ本から枝葉を生やす
5 再び本を買おうと思案する時
6 本についての“せぬはよき”
7 辞書の買い方
8 本を読む前の思案五カ条
9 古本屋と昵墾になる法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
29
すごく読書家だと聞いていたが、かなりの辛口な方だと思った。しかし齋藤孝の本ってそんなに叩くほど人気あったんだ。2011/05/30
テイネハイランド
11
図書館の本に関する本のコーナーで手にとり借りてみました。谷沢さんの専門の国文学/書誌分野の話はマニアックすぎてついていけませんでしたが、興味をひいたのが、斎藤孝の岩波新書「読書力」について。「オー・ヘンリー短編集」、羽仁五郎「ミケランジェロ」、川端康成「山の音」を選んだ斎藤のセンスのなさについて徹底的にこきおろしています。谷沢さんのいわんとしていることに理があることはわかりますが、やはり読者への説明能力/サービス精神の点では、今の時代には斎藤孝さんのほうが谷沢さんよりわかりやすいのではとも思いました。2016/09/25
徒生
8
谷沢永一さんの鋭い文章、特に本についての文章に接すると、いつも教えられる所が多い。彼の厳しい論法や学問的態度もさることながら、心から本を愛する姿勢が貫かれていることが説得力の要素だろうか。「斎藤孝『読書力』の検討」と題した章は、別に彼に恨みはないが、鮮やかな谷沢節が炸裂していて愉快痛快である。私も固くならないようにしつつも、もっと勉強しないとな…と感じる。2016/02/23
go
5
あまり興味のない分野の事も書いてあり飛ばし読みしたが面白い部分もあった。語り口が面白くてやめられなくなる。2020/08/13
ぽんぽこ
4
さすが谷沢永一さんといったキレッキレな言葉遣いで、読んでいてむしろ気持ちよかったです。言葉はキレキレなのに言ってることの筋がきちんと通っているのもさすが。言われてみればたしかに、文献学ってなんだよって話ですものね。齋藤孝さんのこと、そこまで目の敵にせんでも…とは思いましたが笑。この方の「紙つぶて」という本がとても気になっているので読んでみたいですね。2023/01/21