出版社内容情報
アフリカ大陸とマダガスカル島に挟まれた、四つの小さな島々――「生きた化石」シーラカンスで名高いコモロ諸島。その地理・自然環境および歴史を詳しく語り、コモロ社会を描き出す。【目次】 はじめに 第1章 自然環境 第2章 独立以前の歴史 第3章 コモロ人 第4章 マイヨット島問題 第5章 革命とその挫折 第6章 開発途上 第7章 可能性と制限 終わりに*地図5点および図表多数収録。
内容説明
アフリカ大陸とマダガスカル島にはさまれた、モザンビーク海峡の北の入口に浮かぶ四つの小さな島々。「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスで名高いコモロ諸島の知られざる魅力を紹介するために、本書は、異国情緒をかきたててやまない地理・自然環境と島の歴史を詳しく語り、コモロ社会を描き出してゆく。
目次
第1章 自然環境
第2章 独立以前の歴史
第3章 コモロ人
第4章 マイヨット島問題
第5章 革命とその挫折
第6章 低開発
第7章 可能性と制限
著者等紹介
花渕馨也[ハナブチケイヤ]
1967年北海道生。1999年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。文化人類学専攻(コモロ諸島の文化研究)。社会学博士。現在、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所COE研究員
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感想・レビュー
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wei xian tiang
3
確か南ベトナム末期「一個大隊程度の兵力を掌握すれば誰でも大統領になれる」と揶揄されていたが、全人口70万の小国コモロではなんと仏人傭兵50人と手を結べば簡単に政権奪取可能。あの忌まわしいザンジバル革命で倒れたスルタン政権以上の脆弱さ。前近代の首長抗争史は、仲宗根豊見親や阿麻和利を思わせて楽しいのだが、新帝国主義仏の掌上でのエンドレスクーデター劇は暗澹とした気持ちにさせられる。2014/10/15
印度 洋一郎
3
インド洋の南西、マダガスカルの西側にある小さな島々について書かれた、恐らく日本で唯一の本。その地形、文化、歴史、経済などを解説した貴重な内容だ。元々色んな民族が住む土地だったが、フランスの植民地になり、70年代に独立する時に島の一つがフランス領に留まった事から、複雑な問題を抱えることになった。その後は「クーデターの島」と呼ばれるほどの政情不安、傭兵部隊の侵攻による政変、地域対立と分離主義で国が分解しそうになるなど、多難な歴史を歩んでいる。著者は「潜在的可能性がある」と希望を提示しているが、前途は厳しい。2014/03/18
深窓
1
日本語でコモロ諸島の歴史について唯一読むことができる貴重な本。コモロとマヨット島の関係については興味深い。「貧しい独立国のままよりも、もう一度植民地に戻りたい」といって旧宗主国の領土に戻った稀有な例を他に知らない。非常に興味深い歴史を持った国。2013/09/27
ゐ こんかにぺ
0
あまり縁のない場所だったが、詳しく知れた。政情が安定するのはいつのことやら。2012/04/03
Anagoyu
0
ここにも世界に、歴史に翻弄されてきた国が一つ。そしてまた、力強く生きる人々がいます。日本語では数少ないコモロを謳った書。2018/02/04