内容説明
90年代の日本の都会には、ギャルがひしめいている。が、その原像は、20‐30年代に登場してきたモダンガールに求められる。朝、ベッドから起きてトーストとコーヒーで軽い朝食をすませ、最先端をゆく仕事をてきぱきとこなしてゆく彼女たちは、ラグビー見物に熱中し、ゴルフや乗馬を楽しんでいた…。
目次
不器用な天使
燃えない人形
霧
アップルパイの午後
日曜日のホテルの電話
キリ子の朝
マネキンの誘惑
青バスの女
女百貨店
ヒヤシンス
スパイと踊子
あの花!この花!
篠山しか子の一姿態
魔子
マダム・Xの春
心理の谷
東京の屋根の下
カジノ・フォーリイ探訪記
新興日本肉体美巡り(抄)
女学生ものがたり
Several Current Topics
女・エンサイクロペヂア
百パーセント・モガ
モダン・ガール
都会の魅惑 尖端少女座談会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Molly
1
モガと呼ばれた女性たちについて、いろいろな作家が 書いた短編集。 何作か読んだものの、短編なのにストーリー展開がなく、 ものによっては台本みたいに A「 」 B 「 」 みたいなのが始めから終わりまでだったり、 風景描写でもないのに、エッセイ?!と思うくらい 説明ばかりの話が多く、パラパラと読んで見たが、 断念したのが大半の話だった。 2014/07/04
ポン・ザ・フラグメント
1
小津の『非常線の女』で田中絹代が演じる役はモダンガールなのかなあ。モダンガールというのは結局男たちの欲望の具現化だったんじゃないでしょうか。夫、恋人、友達の間を動き回る彼女たちの自由は、男にとっても家制度からの解放だったはずです。女学生、妻、踊り子、レヴュー女優、カフェの女給……彼女たちが男に依存した経済活動から自由になれなかったのが、その証左かもしれません。一方、経済的にも男から独立できた女たちは、いわゆるモダンなライフスタイルを選んでいたのかどうか。その辺ちょっと興味があります。2012/11/11
和
1
龍膽寺雄の『魔子』が好きだった。作品と註といまとで少しずつズレを感じるのが面白い。2012/11/07
せお
1
モダンガールが登場する短編ばかりを集めた作品集。気に入ったのは堀辰雄、吉屋信子、林芙美子。堀辰雄はサガンを思い出させてくれるから、趣味にあう気がします。2011/08/22