平凡社選書<br> 新聞小説の誕生

平凡社選書
新聞小説の誕生

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 306p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582841831
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0093

内容説明

明治の新メディア「新聞」、なかでも振り仮名付き口語体で「女子供」にわかりやすくを旨とした「小新聞」は、戯作者たちが筆を執った。木版から活版に乗りかえた彼らの腕は、とくに「雑報(おはなし)」欄(のちの三面記事)で縦横に揮われ、開化の読み物の目玉となり、お仲間の浮世絵師の挿絵もつけて、やがて「続き物」というジャンルをつくりあげる。諸紙こぞってこれに飛びつき好評を博すなか、ひとり『読売新聞』は無稽・狸褻に傾く続き物は断乎載せぬと上品の孤塁を守っていたが、明治10年代末、ある人の言によってついに掲載を決意、しかしそこにはひとつの工夫があった―。近代小説の最重要形態・新聞小説の誕生を、文化史の広い視野のなかにたどり、まったく新しい展望を拓く。

目次

第1章 活版の日刊新聞の登場
第2章 戯作者と戯作の文体
第3章 小新聞の雑報記事―挿絵の登場
第4章 雑報記事の連載
第5章 続き物の発生
第6章 続き物の定着と展開
第7章 新聞小説と坪内逍遙―自由民権思想の展開
第8章 坪内逍遙の小説観
終章 新聞小説―「小説」と「絵入り続き物」の融合

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rbyawa

2
h096、実際歴史を語る上でどこか自然発生したように見える「小説」が新聞のいわゆる三面記事(事件記事)からなし崩しに生まれたことを論じた本で、正直この観点から見ないと坪内逍遙という人はよくわからないんじゃないのかなぁ、どう見ても創作だから完全に創作にしたほうがという助言は、彼のものではないかと推測されているようですが…うん、実在の事件に尾ひれくっ付けたり噂を真実と書き立てたり、感心しない…。ただ考えてみると現代と大差ないよなぁこれ、その苦悩の中で考えれば逍遙さんの言葉も高慢ではないよ、真剣な苦悩だと思う。2018/02/16

志村真幸

1
 本書は、江戸の戯作と近代小説の接続について、新聞小説という側面から解析したもの。明治になって新聞が生まれるなかで、エンターテインメント的な記事が求められ、戯作者たちが動員され、その方法論がもちこまれ、やがて新聞小説の連載へつながったと説明するものだ。  いまではまったく忘れられているような新聞小説をいくつも掘り起こし、紹介している点がおもしろいし、記事と小説の区別が付かないようなものが多いのも注目される。  ただ、構成に難があり、あまり読みやすく理解しやすい一冊ではないのが残念。2022/01/26

遠藤三春

0
個人的メモ:坪内逍遥「新聞紙の小説」逍遥集別冊第三・新聞に挿絵入り連載小説を掲載しているのは日本と韓国だけ・世界一の新聞大国・明治初期、事件=読み本文体、市井トピック=滑稽本文体、男女もの=人情本文体、物語風、臨場感溢れる書き方、記者の感想、絵入り2011/08/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1101950
  • ご注意事項

最近チェックした商品