出版社内容情報
宮本 常一[ミヤモト ツネイチ]
著・文・その他
田村 善次郎[タムラ ゼンジロウ]
編集
目次
1 林道(林道の意義;国有林道の地元利用 ほか)
2 林道とその効果(高知県幡多郡十和村昭和地区;静岡県磐田郡水窪町 ほか)
3 林道の投資効果(林道開設の意義;林道開設地区の経済基盤 ほか)
4 林道開設と地域開発(後進地域の事実認識;後進地開発のヴィジョン)
感想・レビュー
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きいち
26
川で流していたものが、林道がついてトラック輸送が成立することで、林業経営やそこで働く仕事そのものが変容していくその様が、昭和30年代の調査によって記述されていく。林業政策のための純粋な調査資料なのだけれど、おかげで『枯木灘』『熊野集』『千年の愉楽』、中上健次の小説たちの背景が腑に落ちる。◇今となっては無駄とあげつらわれることの多い林道だが、価値の大きさがわからないのは単なる都会人の傲慢。でも、無条件に守ろうとするのではなく次なる価値を作るための投資をしようという宮本の視点は、離島でも農村でも一貫している。2014/12/27