内容説明
若者ことば、ら抜きことばなど、いま「乱れ」が嘆かれる日本語。だが「正統で純粋な日本語」は本当に存在するのか。敬語の変遷や人為的な「標準語」を探り、変わりゆく日本語の“豊かさ”“美しさ”を説く、新しい“日本語”論。
目次
プロローグ―日本語はどこへ行くのか
日本語はどこにいるのか(日本語は乱れているのか;日本語の「美しさ」「豊かさ」とは何か)
日本語はどこから来たのか(日本語は一つか;日本語は純粋なのか)
日本語はだれのものか(日本語の新たな「多様性」へ向かって;日本語の可能性を開く)
著者等紹介
川口良[カワグチリョウ]
1957年生まれ、1993年お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了、現在秀明大学国際協力学部助教授
角田史幸[ツノダフミユキ]
1950年生まれ、1978年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得、現在秀明大学総合経営学部教授
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感想・レビュー
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Manabu Miyoshi
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日本語の乱れが嘆かれている中,ことばが乱れるとはどういうことかを始めに問い,日本語の歴史を顧みながら言語の性質を探っていく.標準語は人工言語だ,と指摘されるまで,それに気付きませんでしたけど,言われてみれば確かにその通りかなと思いました.後半では日本が朝鮮に対して行った同化政策に触れ,母国語と母語の違いが議論されています.ことばの乱れがことばの本質とはいえ,個人的な気持ちとして「ら抜き言葉」などを許容し難いのが不思議なところ.もう少し考えてみたいです.有益な一冊でした.ちょっと詩に興味が沸きました.2012/05/30