内容説明
古代文化の故郷=奈良、伊勢神宮に続く道=伊賀。平城の都、寺社王国を築き上げた東大寺・興福寺と土民蜂起、伊勢参りと沿道の賑い等々、古都ならではの歴史を追求。重源・芭蕉・中山みきらに地域文化を再発見する。
目次
1 奈良と伊勢街道を歩く(奈良と伊賀の地理と風土;奈良と伊賀の盆地を歩く)
2 奈良と伊賀の歴史(古代の王都;寺社王国の誕生;地域社会の形成;近代の奈良・伊賀)
3 地域文化の繁栄(地域文化の進展;地域文化を作った人びと;奈良・伊賀地方の歴史と日本史)
著者等紹介
木村茂光[キムラシゲミツ]
1946年北海道に生まれる。1978年大阪市立大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東京学芸大学教育学部教授
吉井敏幸[ヨシイトシユキ]
1949年奈良県に生まれる。1980年大阪市立大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。天理大学文学部教授
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感想・レビュー
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六点
7
奈良県は大別して、奈良盆地の「くんなか」、南部の「よしの」、東部の「ひがしさんちゅう」に大別されるが。この本は古代以来奈良盆地と緊密な関係に現代になっても結ばれている奈良と東山中、そして伊賀を一括して取り上げた初めての歴史書である。平城京と奈良しか見ない他府県民から見れば広大な空白域に思える三笠山の向こう側が、今だに特別な関係にあることを学ぶことができる。とはいえども、奈良のほうが中心となり、平安遷都から近代に至るまでの奈良の歴史を概観することができ、奈良を知る上で有用な本であるとおもう。2018/05/06