出版社内容情報
グローバル化によって、草の根文化の可能性がどう広がるのか。ディズニーランド、インド、タイ、沖縄、ファンダメンタリズム、宗教、教育現場など10の事例によって論ずる。
はじめに アイデンティティと伝統の再帰性[宮永國子]
1 グローバル・システムと自己実現[島添貴美子]
――東京ディズニーランドを例に
1 問題の所在
2 グローバル・システムとしてのTDL
3 グローバル化で自己実現
2 大衆文化とローカル・ポリティクス[井上貴子]
――インドのポピュラー音楽における「愛国主義」の構築と受容
はじめに
1 インドにおけるテレビとポピュラー音楽
2 「ヴァンデー・マータラム」と「愛国主義」ブーム
3 「ヴァンデー・マータラム」の受容
おわりに
3 タイ都市部の仏教運動における自己と社会関係の再構築[矢野秀武]
――社会的行為としての瞑想
1 グローバル化と宗教変容
2 タンマカーイ寺(およびタンマカーイ財団)
3 社会的な自己/他者、神秘的な自己/他者
4 瞑想実践と自他の神秘的連接(他者との垂直的連接)
5 儀礼のなかの瞑想と自他の社会的連接(他者との水平的連接)
6 宗教的共同性の持続と変容
7 グローバル化としての自己と社会関係の再構築
4 伝統をつなぐ拝(うが)み/伝統をたちアイデンティティ・クライシス諸論とジジェクのリスク社会論批判
2 主体を維持するコンテクスト
3 生活世界の切断と三つの戦略
8 宗教におけるグローバル化とジェンダー・アイデンティティ[薄井篤子]
はじめに
1 グローバル化によるグローバル・フェミニズムの登場
2 日本宗教におけるジェンダー問題
3 ジェンダー・アイデンティティの多様な展開
4 女性の身体をめぐる闘争
おわりに
9 個と複数性の行方[角田幹夫]
――グローバル化へのハンナ・アレント的視点
はじめに
1 個と複数性
2 アレントと近代化
3 国民国家を超えて
4 グローバル化とアイデンティティ
10 〈教育〉の場を造型する実践プログラムへの序論[永澤護]
――線を引くこと
はじめに
1 自己形成過程の基礎論的考察
2 グローバル化における自己と他者の統御装置
3 呼びかけと応答の時空の創造
おわりに[宮永國子]
目次
はじめに アイデンティティと伝統の再帰性
1 グローバル・システムと自己実現―東京ディズニーランドを例に
2 大衆文化とローカル・ポリティクス―インドのポピュラー音楽における「愛国主義」の構築と受容
3 タイ都市部の仏教運動における自己と社会関係の再構築―社会的行為としての瞑想
4 伝統をつなぐ拝み/伝統をたち切る拝み―沖縄シャーマニズムにおける伝統の再帰性とアンデンティティ
5 真宗ファンダメンタリズムの台頭
6 「自分で理解した神」を受け入れる―Alcoholics Anonymousにおける宗教的文化資源とアイデンティティ
7 ニューエイジ・精神分析的文化・愛―ラカン派精神分析学から見たアイデンティティ・クライシス
8 宗教におけるグローバル化とジェンダー・アイデンティティ
9 個と複数性の行方―グローバル化へのハンナ・アレント的視点
10 “教育”の場を造型する実践プログラムへの序論―線を引くこと