大杉栄訳 ファーブル昆虫記

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  • サイズ A5判/ページ数 496p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784750322452
  • NDC分類 486
  • Cコード C0045

出版社内容情報

日本を代表するアナーキスト・大杉栄によるファーブル昆虫記日本語訳…1922年に刊行され、名訳の誉れ高い昆虫記第1巻の復刻版。大杉翻訳時には不可能だった昆虫の和名訳を解説者の手によって補い、読者の理解を深めるための解説を付し、名訳を蘇らせた。

1 糞蟲スカラベ サクレ
2 大蟲籠
3 玉蟲殺しのセルセリス
4 象鼻蟲狩りのセルセリス
5 殺しの名人
6 黄色い羽の穴蜂
7 短劍の三突き
8 幼虫と蛹
9 高遠な學説
10 ラングドクの穴蜂
11 本能の智惠
12 本能の無知
13 ヴァントウ山に登る
14 渡りもの
15 青虫狩りのアモフィラ
16 蠅取りのベンベクス
17 蠅狩り
18 寄生蠅―其の繭
19 其の巣の記憶
20 左官蜂カリコドマ
21 いろんな実験
22 巣の交換
附録 新種

大杉栄と生物学
訳者・大杉栄(1885-1923)は著名な社会運動家であり、アナーキスト(無政府主義者)である。関東大震災時に妻・伊藤野枝や甥とともに虐殺された。大杉がこのような生物学に興味を持っていたことは解説(訳者の序)に見受けられる。大杉の内的な世界については推論の域を出ないが、自然科学そのものに興味をだいていたというよりも自然の事象を彼なりの感覚で感得していたからではないか。そのことが解説に現れている。発表はしなかった短いエッセイ、ファブル(大杉の表現にしたがった)について「科学の詩人」を著している。それが、解説の主要部分をなしているが、昆虫学者あるいは博物学者ではない大杉の面目が溢れていて興味を引く。
生物学史としてはファーブルの著作に賞賛が述べられている事例に一つの時代が重ねられよう。「ダァヰンがかつて彼をただ一言、しかし千金の重みを以て『此の比類のない観察者』と激賞した」と引用していることも興味深い。そして、大杉自身はダーウィンやウォーレスの著作をかかえて下獄したこともあった。少なくとも彼はダーウィンやウォーレスに興味を持ち、しかもダーウィンを特に価値のある学者と見なしていたといえよう。進化史にひい

内容説明

1922年、日本で最初に刊行されたファーブル昆虫記の翻訳者はアナーキストの大杉栄!ファーブルの原題『昆虫学的回想録』に『昆虫記』の名を贈ったのはこのときの大杉栄だった。大杉翻訳時には不可能だった昆虫名の和訳を補い、現代科学の視点から解説を加えて幻の名訳がよみがえる。

目次

糞蟲スカラベ サクレ
大蟲篭
玉蟲殺しのセルセリス
象鼻蟲狩りのセルセリス
殺しの名人
黄色い羽の穴蜂
短劍の三突き
幼虫と蛹
高遠な學説
ラングドクの穴蜂
本能の智恵
本能の無知
ヴァントゥ山に登る
渡りもの
青虫狩りのアモフィラ
蠅取りのベンベクス
蠅狩り
寄生蠅―其の繭
其の巣の記憶
左官蜂カリコドマ
いろんな実験
巣の交換

著者等紹介

小原秀雄[オバラヒデオ]
1927年東京生まれ。国立科学博物館助手を経て、1969年女子栄養大学教授(生物学)、1998年定年退職、同名誉教授。専門領域は、哺乳類論(動物学)、人間学、環境科学(自然保護論)ほか。国際哺乳類学会、国際自然保護連合(IUCN)、世界自然保護基金日本委員会(WWF‐J)等の国際関係役員、総理府動物保護審議会委員等を務め、現在、NPO法人野生生物保全論研究会会長、総合人間学研究会代表幹事、日本環境会議代表理事、ヒトと動物の関係学会顧問等を務める。世界野生生物基金(WWF)から保護功労賞(1982年)、国連環境計画(UNEP)からグローバル500賞(1988年)のほか、毎日出版文化賞(1966年)、産経児童出版文化賞(2003年)等受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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