内容説明
連歌、茶の湯、俳諧、生け花、浄瑠璃、園芸…。生活に「美」を取り込もうとする人びとの自発的な結びつきから、日本独自の市民的交際文化=シヴィリティーが形成された。中世から幕末へ、道元から浮世絵までの文化史・社会史・経済史・政治史を総合して、「徳川ネットワーク革命」が近代日本に何をもたらしたかを徹底解明。
目次
1 美と交際文化の政治学(美の国日本と徳川ネットワーク革命;市民社会なき市民的礼節―比較論的概観 ほか)
2 結社の政治学と美のパブリック圏(美のパブリック圏の中世的起源―自由をめぐる儀礼のロジックと連歌;中世後期における座の芸能の変容―ヨコの組織原理対タテの組織原理 ほか)
3 市場と国家とカテゴリーの政治学(浮世からのプロテスト―ファッション・国家・ジェンダー;徳川の商業出版とプロトモダン文化 ほか)
4 変幻する日本イメージ(美の国日本の誕生)
著者等紹介
池上英子[イケガミエイコ]
ニュー・スクール大学大学院社会学部教授。同大学社会変動研究所所長。東京生まれ。お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業。日本経済新聞社勤務を経て筑波大学大学院地域研究科修士課程修了。ハーバード大学社会学部博士課程で学ぶ。1989年Ph.D取得後、イエール大学大学院社会学部準教授、プリンストン高等研究所研究員を歴任、1999年より現職。2002年に全米社会学会の比較歴史社会学部会議長も務める。専攻、歴史社会学、社会理論、文化社会学
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