内容説明
星も、ヒトも、路上の石もこの世界のすべてを構成するのはほんの100種類あまりの元素だという。いったいなぜ元素たちがこれほど複雑で多様な物質を生み出すことができるのだろうか。理論物理化学の第一人者アトキンスがなじみ深い周期表を頼りに元素たちが織りなす壮大な景観を示し、物質世界の秘められた構造へと案内する。
目次
1 周期の王国へようこそ(元素の国の住人たち;地域の特産品;地下に潜むリズム)
2 王国の歴史(探険者たちの足跡;名付け親はだれか?;王国はビッグバンに始まる;地図をつくった人びと)
3 政府と制度(量子力学のことば;元素は踊る;王国を横切る;元素たちの同盟)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いきもの
4
物理化学のアトキンス先生やー。などと思いつつ読み始める。周期表を地図に見立てた説明が始まる最初が取っ付きづらく感じる。段々と紐解いて説明していってくれるので後半に行くほどわかりやすく飲み込める。s軌道とかp軌道とか懐かしいです。2015/09/20
くまこ
2
元素周期表など記号が並んでいるだけかと思っていたらあの中に様々なことが隠されていることを教えてくれた。それが分かったとたんにただ眺めているだけで面白くなった。不思議なものだ。2016/01/04
芝柏 太郎
1
無味乾燥なイメージのある周期表を王国にたとえて説明した本。授業で習う周期表とはまったく異なる見方を示してくれます。2012/06/10
spica
0
自分の体も原子の集合と考えたときの気持ち悪さ。訳者は飛ばしていいと言っているが、第3部が最も面白い。量子力学は本当に知りうることを示し、古典力学は大風呂敷で不正確だったという指摘に納得。2013/05/24
あひ
0
「ガリレオの指」が非常に面白かったので、同じ作者の本を探して読んだのだが、「ガリレオの指」とは違って非常に冗長で読みにくい本だった。訳者のあとがきでも翻訳に苦労した様子が書かれており、読むべき場所がピンポイントで記載されていたので、最初に読みにくいと感じたら訳者あとがきを確認した方がいいと思う。「ガリレオの指」の文章の半分以下の量しかないと思うが、「元素の王国」の方が読むのに時間がかかってしまった。2011/05/29