内容説明
万葉集の巻一、巻二はとくに強い歴史意識で編纂されているので、そこに収められている歌々を解釈するにあたっても、その史的背景に充分な目配りが必要であろう。本書は、かかる観点で歌の新たな姿を見出そうとする著者の問題意識の検証の書である。
目次
第1 磐姫皇后御作歌群の構想―巻二増補の時と人をめぐって
第2 雄略天皇の神性素描
第3 雄略天皇御製歌の論
第4 持統天皇吉野行幸の目的―人麻呂の吉野讃歌を通して
第5 有間皇子の磐代歌の論
第6 高市殯宮挽歌の一問題―神宮の創造との関連において
第7 泣沢の神社に祈る―202番歌の解釈