内容説明
17世紀、大阪、そして西鶴は、東アジアの新しいグローバリゼーションの中心だった!武士と商人、男色と女色の共犯が生み出すダイナミズムは、遙か、東アジアの海洋域を淵源とする。西鶴は、そうした海洋域文化の申し子であった。まったく新しい視点から、西鶴とその小説を論じる、気鋭の初論集。
目次
第1部 総論 西鶴小説その対照的構造と「東アジア」への視界
第2部 西鶴と東アジア、そして十七世紀(西鶴 可能性としてのアジア小説;アジア小説としての『好色一代男』―朝鮮の『九雲夢』、中国の『金瓶梅』との比較より;東アジアの古典小説と仏教―『九雲夢』と仏画・曼荼羅、『好色一代男』と庶民仏教・法華宗 ほか)
第3部 西鶴のロマンスとユートピア(戦士のロマンス―『男色大鑑』の恋愛空間(1)
「玉章は鱸に通はす」考―『男色大鑑』の恋愛空間(2)
『男色大鑑』の成立をめぐって―成立時期の問題 ほか)
第4部 西鶴の空間、変転するコントラスト(恋の箱庭―『好色五人女』の縦糸と横糸;西鶴と元禄のセクシュアリティ―『好色一代女』と『男色大鑑』の対照性を中心に;西鶴小説の対照的構造と中期作品群―『武道伝来記』と『日本永代蔵』 ほか)
参考資料
著者等紹介
染谷智幸[ソメヤトモユキ]
1957年東京に生まれる。1980年3月上智大学文学部卒業。1982年3月上智大学院、博士前期課程修了。茨城キリスト教大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。