出版社内容情報
荒川 正晴[アラカワ マサハル]
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大黒 俊二[オオグロ シュンジ]
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小川 幸司[オガワ コウジ]
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木畑 洋一[キバタ ヨウイチ]
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冨谷 至[トミヤ イタル]
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中野 聡[ナカノ サトシ]
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永原 陽子[ナガハラ ヨウコ]
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林 佳世子[ハヤシ カヨコ]
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弘末 雅士[ヒロスエ マサシ]
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安村 直己[ヤスムラ ナオキ]
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内容説明
海と陸がつながり、ヒト・モノ・情報の流れが活性化するアジア世界。近世の海域と陸域の交流は、アジアと世界の関係をどう変えたのか。内陸アジア、東アジア、東南アジア史と海域史研究の成果を統合し、諸国家の展開と地域社会の再編をリアルに描き出す。
目次
展望(東ユーラシア圏域の史的展開;近世東南アジア社会の展開)
問題群(大交易時代のアジアの海域世界;清朝をめぐる国際関係)
焦点(明朝の中央政治と地域社会;明代中国における文化の大衆化;マンジュ大清国の支配構造;清朝時代のモンゴル社会;近世後期の大陸部東南アジア;朝鮮時代の国家財政と経済変動;近世日本の対外関係と世界観;グローバル貿易と東南アジア海域世界の「海賊」)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
15
明清交代の混乱を経て、清朝の安定した統治のもと、旺盛な消費の意欲を見せる中国。それはヨーロッパの商人も引き付け、周辺の東南アジア地域にも波及する。また東アジアでも清朝、徳川幕府、朝鮮による安定した「国際関係」が完成する。焦点はやはり清朝。その多面的な統治は、満漢蒙が混じる複雑な状況に秩序と安寧をもたらし、空前の「消費」を呼び込む。また繁栄による人口増加は、東南アジアに渡る華人たちを激増させ、とくに大陸部では現代のタイ、ミャンマー、ベトナムの国家形成にも影響を与える。アジアが世界経済の中心だった時代である。2022/06/03
kenitirokikuti
6
図書館にて。同シリーズの4巻「南アジアと東南アジア」に続いて借りた。しかし、東南アジア史が目当てだったので、明清が軸となる本書はちと外した。あとやっぱ、モンゴル帝国がユーラシア大陸の東西を繋ぎ、続いてヨーロッパ勢が海路で地球を一周し、交易を読むのが困難になる。馴染みのある日本史との直接対比しないとあかんかなあ2023/08/14
電羊齋
6
近世の東アジア・東南アジア各地域の共時的な変化と独自の発展の双方について焦点を当てる。各地域のヒト・モノ・情報の交流が活発化し、さらにグローバルな情勢もからみ、各地域の一見独自に見える発展の中にも他地域の動向の影響が色濃く見られる。本書の記述には、近年の研究、特に東ユーラシア史、東南アジア史、海域アジア史研究の大きな進展が反映されている。本書を読めば、歴史はやはり「一国史」の集積では成立しないことがよくわかる。2022/07/02
ポルターガイスト
5
本シリーズは新課程の授業づくりをしている世界史教員には本当にありがたい。「こういう授業をしてほしい」「こんなテーマをやってほしい」という界隈のリクエストやコンセプトを押さえられるから。それにしても,一般向けの全集にも関わらずここまで既存の世界観の相対化に特化してるようだと,一通りの流れがかなり把握できてない人には読んでも(歴史総合や歴史探究の授業を受けても)意味不明ではないかという気はするのだが。ほんの数年前からなんと高度で複雑なところに行き着いてしまったんだろうな。ついていけない人間だらけなのでは。2024/04/28