内容説明
メディアは、メッセージとともに既存の力関係も流通・補強しつつ、「意味をめぐる闘争」の場となる―発信の場からの排除や表現における差別は、構造的な歪みを可視化させ、「女性向け」商品は、受け手の能動的な読み替えで、新たな市場や回路も拓く―。カルチュラル・スタディーズや構築主義以降、メディアのジェンダー分析の新たな到達点も紹介。
目次
メディアが女性をつくる?女性がメディアをつくる?
1 女性像の歴史的変遷
2 メディアの性差別表現
3 メディアを担う女性たち
増補編1 ジェンダーの構築とマスメディア
増補編2 女性メディアがつなぐ女性の共同体
増補編3 ジェンダーをめぐる表現の政治学
著者等紹介
井上輝子[イノウエテルコ]
1942‐。和光大学現代人間学部教授。社会学、女性学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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内島菫
32
フェミニズムは自分の考え方とそぐわないと思っていた原因が、フェミニズムそのものではなくそれを報じるマスコミや多数の受け手の態度や視点にあったことが分かった。彼らは、アメリカのウーマン・リブ運動(1970年)の報道から男対女、女の仕掛けた戦争というイメージ・枠組みを作り上げるのみで、フェミニズムが真に問題としていることを伝えていなかった。それは、世の中で起きていることを隠し歪めるいつものマスの原理だ。2017/01/05
元気!
1
1990年代に出されたものの再版なので、第二波フェミニズム的な風潮が強く、現代の感覚からするとややナイーブに感じられる手法もあった。ただ、日本のフェミニズムの1ページとして面白い内容であるだけでなく、刺激的な論考もあった。2022/02/17
わをん
0
an・an、non・no以前はデパートなどで、子供服、大人の女性用の服の売り場はあったが、その中間である少女のための売り場がなかったことが面白いと思いました。2011/09/13
べ
0
読み返す ・ビジュアルイメージとしての女 ・新聞にみる構造化された性差別表現 ・現実をつくりだす装置・イメージCM ・絵本にみる女像・男像 ・メディアにおけるステレオタイプとしての主婦像構成の規定要因 ・アニメの国 ・高倉健の曖昧な肉体 ・消費社会の政治学 ・なぜ少女は自分を「ぼく」と呼ぶのか2020/08/30