内容説明
和泉式部・赤染衛門・紫式部を始めとする女性歌人の華麗な活躍等、平安最盛期の代表的な歌を網羅した第四番目の勅撰集。勅命は白河天皇、撰者は藤原通俊。応徳3年(1086年)に奏覧、『拾遺集』撰進から80年後、大きく転換する時代の歌壇の変化を反映している。
目次
後拾遺和歌抄序
春上
春下
夏
秋上
秋下
冬
賀
別
羇旅
哀傷
恋一
恋二
恋三
恋四
雑一
雑二
雑三
雑四
雑五
雑六
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
372
第四勅撰集。白河天皇の勅命により、藤原通俊が撰。応徳3(1086)年奏覧。20巻1220首(岩波文庫・池田光雅自筆本)。歌数では67首が採られた和泉式部のものが最多。内容的にも、この歌集中では他を圧倒する。和泉式部はやはり恋の部で際立っており、19首を収める。百人一首採録歌「あらざらむこの世のほかのおもひでに…」が名高いが、恋ではむしろ「黒髪のみだれてしらずうちふせばまづかきやりし人ぞ戀しき」が和泉式部らしいか。また、敦道親王を悼む3首の哀傷歌も『和泉式部日記』と呼応して胸に迫るものがある。2020/07/24
Francis
13
第四番目の勅撰和歌集であり、今日始まる大河ドラマ「光る君へ」の紫式部の時代に編まれたもの。その紫式部さんは「み吉野は春のけしきにかすめどもむすぼほれたる雪の下草」など数首が選ばれている。他にも和泉式部、相模、赤染衛門などの女流歌人の歌が多数選ばれ、恋の歌もまた多数。もっとも藤原道長に皇太子の座から降ろされた小一条院の歌も数首ある辺り、この時代は結構ドロドロした時代であることも垣間見えてしまった。2024/01/07
双海(ふたみ)
12
第四番目の勅撰集。勅命は白河天皇、撰者は藤原通俊。応徳3年に奏覧された。『拾遺集』撰進から80年後、久々の選集のため、藤原摂関時代から院政期へと大きく転換する時期の文化、歌壇の変化、動向を反映している。女流歌人(和泉式部、赤染衛門、紫式部など)の台頭、叙景歌の増加等の特徴が見られる。和歌は暗唱するに限る。2024/03/07
大臣ぐサン
5
時間はかかるけど和歌を詠むときはやっぱり音読にかぎる。何で平安の言葉ってこんなに雅な感じがするんですかね。溜息出る。2020/03/23
ひろゆき
2
注がとても充実。これを読んで、なんか和歌をかなりマスターしたような気になる。2020/03/26