内容説明
『倫理学』と並ぶ和辻哲郎の主著。古代から近代に至る倫理思想の展開とそれを支える社会構造の変遷を、宗教から文学まで視野に収めた壮大なスケールで描き出す試みは、日本思想の通史としていまだ類例がない。戦後まもない1952年に刊行された本著は、これ自体が近代日本の思惟の可能性と困難を照らす生きた史料である。
目次
第1篇 神話伝説に現われたる倫理思想(宗教的権威による国民的統一;神話伝説における神の意義;祭祀的統一にもとづく道徳―清明心の道徳)
第2篇 律令国家時代における倫理思想(政治的国家の形成;聖徳太子の憲法における人倫的理想;人倫的国家の理想;奈良時代における「あきつかみ」の思想;奈良朝平安朝における仁政の理想;平安朝における皇室尊崇)
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- 和書
- 社会科学の論理によせて