講談社現代新書<br> 高層建築物の世界史

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講談社現代新書
高層建築物の世界史

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  • サイズ 新書判/ページ数 438p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062883016
  • NDC分類 526.9
  • Cコード C0252

出版社内容情報

ピラミッドから、大聖堂、摩天楼を経てスカイツリーまで。高層建築物を通して人類の歴史を眺める、かつてない高層建築入門&世界史本人類の歴史は、高層建築物をつくってきた歴史でもあります。

古代においてもすでに、メソポタミアの宗教的建造物ジッグラト、エジプトのピラミッド、ローマのコロッセウムや高層アパートなど、巨大・高層建築物がつくられていました。中世になると、ヨーロッパでは城塞やゴシック教会、中東ではイスラームのモスク、日本では仏塔がつくられました。
15世紀以降は、都市の景観の中での高層建築物のありかたが問われるようになります。19世紀末からの摩天楼の時代を経て、20世紀半ばからは、超高層ビルとタワーの時代が始まります。そして、現在、高層建築の中心は、再び中東、そして東アジアに移っています。

高層建築物は、時の為政者の権力や自己顕示欲、富を象徴する一方で、ランドマークとして人々に親しまれる存在でありました。同時に、その都市のスカイラインや景観をつくってきました。高層建築物は、いわば人類が歩んできた軌跡を象徴するモニュメントと言えるのではないでしょうか。

本書では、時代を映す鏡として高層建築物をとらえ、その歴史を振り返ります。世界で、日本で、どんな高層建築物が、どのように建てられてきたのでしょうか。そして、なぜ人類は高層建築物を希求してきたのか、を探ります。

第一章 神々をまつる巨大建造物――紀元前3000年頃-紀元後5世紀頃の高層建築物前史
1 古代メソポタミアのジッグラト
2 古代エジプトのピラミッドとオベリスク
3 巨大・高層建築物の都市、古代ローマ
4 アレクサンドリアのファロスの大灯台
5 古代日本の巨大建造物
第二章 塔の時代――5-15世紀頃 
1 中世ヨーロッパの城塞
2 ゴシック大聖堂
3 塔の都市、中世イタリア
4 イスラームのモスク
5 日本の仏塔
第三章 秩序ある高さと都市の景観の時代――15-19世紀
1 ルネサンス都市における高さ
2 宗教都市ローマの大改造  
3 ロンドン大火と都市復興
4 国民国家の都市改造
5 近世・近代日本における「都市の高さ」
第四章 超高層都市の誕生――19世紀末-20世紀半ば
1 鉄骨、ガラス、エレベーター
2 万国博覧会と巨大モニュメント―クリスタル・パレスとエッフェル塔
3 シカゴ・ニューヨークにおける摩天楼の誕生と発展
4 第二次世界大戦前のヨーロッパの超高層建築物
5 全体主義国家における高層建築物
6 第二次世界大戦前の日本の高層建築物
第五章 超高層ビルとタワーの時代――1950-1970年代
1 アメリカの鉄とガラスの摩天楼
2 高さ世界一を競って―ワールド・トレード・センターとシアーズ・タワー
3 ヨーロッパの超高層ビル
4 日本における超高層ビル
5 西ヨーロッパにおけるタワー
6 共産圏におけるタワー
7 北米におけるタワー
8 日本のタワーブーム 1950-1960年代
9 高層化がもたらす影 1960-1970年代
第六章 高層建築物の現在――1990年代-現在
1 グローバル化する超高層建築物
2 アジアにおける高さ世界一の更新
3 中国における超高層建築物
4 ドバイとサウジアラビアの超高層建築物
5 ヨーロッパでの超高層ビルの増加
6 日本の超高層建築物の現在
7 自立式タワーの現在
終章 高層建築物の意味を考える


大澤 昭彦[オオサワ アキヒコ]
著・文・その他

内容説明

なぜ、人類は高い建物をつくり続けてきたのか?古代ピラミッドから、東京スカイツリー、中東の超高層タワーまで…

目次

第1章 神々をまつる巨大建造物―紀元前三〇〇〇年頃~紀元後五世紀頃(古代メソポタミアのジッグラト;古代エジプトのピラミッドとオベリスク ほか)
第2章 塔の時代―五~一五世紀(中世ヨーロッパの城塞;ゴシック大聖堂 ほか)
第3章 秩序ある高さと都市景観の時代―一五~一九世紀(ルネサンス都市における高さ;宗教都市ローマの大改造 ほか)
第4章 超高層都市の誕生―一九世紀末~二〇世紀半ば(鉄骨、ガラス。エレベーター;万国博覧会と巨大モニュメント―クリスタル・パレスとエッフェル塔 ほか)
第5章 超高層ビルとタワーの時代―一九五〇~一九七〇年代(アメリカの鉄とガラスの摩天楼;高さ世界一を競って―ワールド・トレード・センターとシアーズ・タワー ほか)
第6章 高層建築物の現在―一九九〇年代~現在(グローバル化する超高層ビル;アジアにおける高さ世界一の更新 ほか)
終章 高層建築物の意味を考える(権力;本能 ほか)

著者等紹介

大澤昭彦[オオサワアキヒコ]
1974年、茨城県生まれ。東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻博士課程修了。博士(工学)。財団法人土地総合研究所研究員を経て、東京工業大学大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻助教。専門は、景観・都市計画、建築・都市計画法制史。2009年、日本都市計画学会論文奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

37
実務寄りの背景を持った著者のため、「高い」という印象論から書かれた本は都市論なのか、「高さ」に対する精神分析なのかがはっきりしない。反面、著者の興味からの構成や考察が単純なので読み易く、事実の羅列としてであっても類書はないだろうから読み応えがある。様式や構造に対する指摘は、普段、触れない知識であり新鮮だ。高層建築物は宗教性と関係している。現在のテクノロジーでは宇宙開発と近いのではないか。日本では高層建築物に対する考え方が変わり、スカイツリーで高層建築物による超越性は打ち止めだろう。他方でタワマンのような住2022/11/26

有理数

16
紀元前から2010年代まで、人類が建造した数多くの「高層建築物」の変遷を辿る一冊で、読みやすく、大変面白かった。人間が"空を目指したい"という欲求、神々への崇敬、為政者の権力の誇示、経済的な損得、大火や戦災から立ち直る新しい希望のためのランドマーク、国際社会の競争……など、本当に高層建築物が様々な理由で生まれた(あるいは夢想された)ことが俯瞰できる。「高層建築物の役割・意味」がよくまとまっていて勉強になり、また純粋に「デカい建物」が好きなので、そういったものの歴史を知ることができて楽しい一冊。2020/07/09

しんこい

11
これだけ高層建築に世界中の人が情熱燃やしていても、エジプトのピラミッドのような巨大建築は簡単には作れず、エンパイアステートビルがもっとも高いビルだった時代が20世紀の半分あったりするので不思議でもあります。横浜のホテルエンパイアまで言及されているので懐かしいかぎり。2015/06/21

よしひろ

10
大部だが飽きることなく楽しめる本。摩天楼を追い求める人類。現代に入ってその傾向はさらに顕著になった。タワーや超高層ビル。それがドバイや、サウジアラビア、中国、台北101まで世界的に広がっている。高さへの憧憬は権力か、本能か、象徴か。景観や眺めもあるという。歴史的にも巨大建造物への憧れは権力者を引きつけてやまない。2016/03/16

y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)

8
ジッグラトからキングダムタワーまで、中世ヨーロッパの高層建築物についてが面白かった。2019/09/15

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