出版社内容情報
日本の戦前と戦後はなぜ「つながらない」のか。ルソーから三島由紀夫まで、緻密な分析と真摯な思考から生まれる、スリリングな論考。1995年、戦後50年目に発表された「敗戦後論」は、単行本刊行後、百を越える批判を左右両翼から浴びた。本書はその反響の醒めぬなか、それらを正面から受け止め、「批判者たちの『息の根』をとめるつもり」で書き始められた。「戦後的思考」とは何か。戦前と戦後はなぜ「つながらない」のか? 今こそ我々に必要な、生きた思想と格闘する画期的論考を、増補改訂を施し、21世紀に再度問う。
第一部 戦後的思考とは何か
I 一九九七年の「歴史主体論争」──日本・ドイツ・韓国
第二部 戦前──誤りをめぐって
II 罪責感を超えるもの──吉本隆明「転向論」の意味
III 戦争体験の世界性──『戦艦大和ノ最期』と「大衆の原像」
第三部 戦後──私利私欲をめぐって
IV 市民と公民のあいだ──アーレント・ヘーゲル・マルクス
V 私利私欲と公的なもの──ルソーからドストエフスキーへ
第四部 戦前と戦後をつなぐもの
VI 天皇と戦争の死者──昭和天皇VS三島由紀夫
注
あとがき
著者から読者へ
年譜
著書目録
加藤 典洋[カトウ ノリヒロ]
著・文・その他
内容説明
一九九五年、戦後五十年目に発表された「敗戦後論」は、単行本刊行後、百を越える批判を左右両翼から浴びた。本書はその反響の醒めぬなか、それらを正面から受け止め、「批判者の『息の根』をとめるつもり」で書き始められた。“戦後的思考”とは何か。戦前と戦後を繋ぐものとは?今こそ我々に必要な、生きた思想と格闘する画期的論考を、増補改訂を施し、二十一世紀に再度問う。解説・東浩紀。
目次
第1部 戦後的思考とは何か(一九九七年の「歴史主体論争」―日本・ドイツ・韓国)
第2部 戦前―誤りをめぐって(罪責感を超えるもの―吉本隆明「転向論」の意味;戦争体験の世界性―『戦艦大和ノ最期』と「大衆の原像」)
第3部 戦後―私利私欲をめぐって(市民と公民のあいだ―アーレント・ヘーゲル・マルクス;私利私欲と公的なもの―ルソーからドストエフスキーへ)
第4部 戦前と戦後をつなぐもの(天皇と戦争の死者―昭和天皇VS三島由紀夫)
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948・4・1~。文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部卒。国立国会図書館勤務を経て、86年、明治学院大学助教授。90年、同教授。2005年、早稲田大学教授、現在、同大学名誉教授。85年、『アメリカの影』で文芸評論家としてデビュー。97年、『言語表現法講義』で新潮学芸賞受賞。98年、『敗戦後論』で伊藤整文学賞受賞。04年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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