講談社学術文庫<br> エウセビオス「教会史」〈上〉

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講談社学術文庫
エウセビオス「教会史」〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 508p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920247
  • NDC分類 198
  • Cコード C0116

内容説明

イエスの出現から「殉教の時代」を経てコンスタンティヌス帝のミラノ勅令による「公認」まで、キリスト教最初期三〇〇年の歴史。以後記される教会史の雛形となって著者エウセビオスを「教会史の父」と呼ばしめ、アウグスティヌスの著作とともに現代に至るキリスト教世界の価値観の原点ともなった『教会史』全一〇巻を全訳、詳細な註と解説を付す。

目次

第1巻 教会史のための序章―キリストが先在のロゴスであったこと他(神のロゴスとその神性・ロゴスはなぜ大昔の人びとに知られなかったか;イエスの名称とキリストの称号の由来 ほか)
第2巻 使徒時代―ティベリウス帝からネロ帝まで(キリストが天に上げられた後の使徒たち;キリストについて報告をうけたティベリウス帝 ほか)
第3巻 教会の中の敵―ウェスパシアヌス帝からトラヤヌス帝まで(全世界に散った使徒や弟子たち;リヌス、ローマ教会の監督になる ほか)
第4巻 教会の監督たち―トラヤヌス帝からアウレリウス帝まで(アレクサンドリアとローマの監督;ユダヤ人の災禍 ほか)
第5巻 監督の継承と異端の運動ほか―アウレリウス帝からセウェルス帝まで(ガリアの殉教者たち;殉教者たちの思いやりと人間愛 ほか)

著者等紹介

秦剛平[ハタゴウヘイ]
1942年東京生まれ。現在多摩美術大学教授、同大学図書館館長。著訳書は80冊あまり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

33
キリスト教における価値観の原点的論と言えるでしょう。最古のキリスト教史として意義のある著作だと思いました。下巻も読みます。2023/12/08

マウリツィウス

17
【『使徒時代の教会史』】創世記より始まる『教会史』を束ねた新約聖書記録がエウセビオスであるとするならば、古典翻訳資料を自在に引用することでの明晰価値が見出せることだろう。セプトゥアギンタの利用したソフィア概念を操る《グノーシス》を根絶批判した《新約聖書外典記録集》を文献から除外した彼は古典資料を多数参照することでの《ヘブル語研究未完遂性》を批判意図で用いることで「ユダヤ教」からの架橋を果たすことが可能となった。つまりメシア願望をイエス・キリストの投影とするのではなくキリスト教会を総べた使徒時代の再現記録。2013/07/18

マウリツィウス

15
【「教会史」】新約時代に刻まれた普遍史を再編した文書が「エウセビオス」定義、新約聖書だけではなく旧約史連環を形成していった七十人訳を前提否定することでの画期的書物をも意味した。セプトゥアギンタの孕んだ反駁脆弱性を使徒記録=使徒行伝と福音書から導き出す。新約聖書をローマ帝国からの排斥文書としての迫害対象から退けたのは旧約正典を定義した教父たちの功績による。従って「新約時代」は実質彼らの手により紡がれ、因果たるグノーシス/マルキオン存在とは旧約依存をむしろ利用していた。これを撤回させる根拠文書集成を意味する。2013/06/22

マウリツィウス

14
【『教会史』の遺したもの】キリスト教会を脅かした「悪魔」がグノーシスと確信断定定義、教会史とは普遍人類の暦を刻む礎と悲嘆の証明でもあり殉教凄惨を強制した悪夢根源がキリスト教異端、この全体像を概括すると古代史に住まう概念が創世記時代に生息することも理解できる。ギリシャ文明とキリスト教信仰、この双方次元対立に仲介するかのように入り込んだ異端属性は新約的、つまりパウロが遮断した存在は聖書と教会史に同居する。運命論ではない宿命を意味、「神の計画」定義を再考、古代教会を危惧した性質を実に利用していく異端を事実根絶。2013/05/31

マウリツィウス

12
【EARLY/CHURCH/HISTORY】エウセビオスの救済とは概念言語=グノーシス異端との対立を意味した。しかし、旧約時代に発生した「根源」こそが黙示録内に出現している。この連鎖を断つことが教会史家の吟味事項でもあった。新約聖書史における旧約機能を十分に吟味し『七十人訳』を反駁に用いることで新約時代における異端要素根幹を排斥、パウロ書簡こそ新約起源だと再定義した。トマス文書存在視の疑問答について古代教会の果たした役割はトマス文書の消滅ではなく「非分類定義」、この文書を定義し得ない検証こそ両義性を理解。2013/06/17

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