講談社学術文庫<br> 俳句と川柳

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講談社学術文庫
俳句と川柳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062922463
  • NDC分類 911.3
  • Cコード C0191

出版社内容情報

俳句も川柳も同じ17音の文芸。季語や切字の有無では区別できない。それぞれの歴史を辿り、本質的な違いを探る。俳句も川柳も、同じ十七音の文芸。季語や切字の有無だけでは区別がつかない。「風景を詠むと俳句、笑いを詠むと川柳」なのか。しかし、笑いを詠む俳句もあれば、風景を詠む川柳もある。本書では、まず連歌の発句・平句、狂句、前句付など、俳句と川柳のルーツを探る。また、新旧の名句を鑑賞し、また俳人や川柳作家の創作観を紹介しながら、それぞれの本質を探る。鑑賞にも創作にも必読の書。

第一章 十七音の文芸
第二章 俳句に必要な「笑い」とは
第三章 川柳のルーツを探る
第四章 発句・川柳句合競演
第五章 子規の俳句革新と川柳観
第六章 久良岐と剣花坊の川柳革新
第七章 川柳作者の見た俳句
第八章 「切れ」とは何か


復本 一郎[フクモト イチロウ]
著・文・その他

内容説明

俳句も川柳も、ともに十七音の文芸。季語や切字の有無だけでは区別がつかない。「風景を詠むと俳句、笑いを詠むと川柳」なのか。しかし、笑いを詠む俳句もあれば、風景を詠む川柳もある。連歌の発句・平句、狂句、前句付など、俳句と川柳のルーツを探り、新旧の名句を鑑賞し、また俳人や川柳作家の創作観を紹介、それぞれの本質を探り境界線を問う。

目次

第1章 十七音の文芸
第2章 俳句に必要な「笑い」とは
第3章 川柳のルーツを探る
第4章 発句・川柳句合競演
第5章 子規の俳句革新と川柳観
第6章 久良岐と剣花坊の川柳革新
第7章 川柳作者の見た俳句
第8章 「切れ」とは何か

著者等紹介

復本一郎[フクモトイチロウ]
1943年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。専門は、近世・近代俳論史。静岡大学人文学部教授を経て、神奈川大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

29
俳句と川柳、何が違う?という疑問に正面から答えようとする親切な労作。一言で言うと、「けり」「かな」「や」という切字があれば俳句。無季俳句の増加によって季語の有無は決め手にならないそうだ。芭蕉の有名な俳諧連歌によって「発句」(36句冒頭の五七五)と「平句」(発句以外の句)を説明し、発句が独立して俳句になり、平句が後の川柳に進化したという。現在の俳句が正岡子規によって確立され、明治の同時期に現在の川柳観が形成されたことは興味深い。どちらも大衆文芸であるが「飛躍切部」の有無で截然と区別されるべきと説く。2020/10/30

やま

6
川柳と俳句の違いは何か。 切れだと言う。俳句の先生から何度も言われていることだ。他にも、俳句は人事を詠みながら自然を詠み、川柳は自然を詠みながら人事を詠む。など、その比較論が面白い。穿つ川柳。俳句だって滑稽があったのに子規以来、笑いが少なくなったとか、川柳に道徳的なことを入れるのは馬鹿だとか、頭が少し整理された気がした。2019/01/09

kanikakuni

1
著者のいう俳句と川柳の違いは置くとして、それを探るために示される、俳句川柳双方の歴史はとてもおもしろい。2017/12/17

meg

0
俳句と川柳の違いについて家人から問われ、上手く説明出来ず、悶々としていたところに、書店でこの本を偶然見つけました。学生時代、国文科で俳句について教わった先生の著書ということもあり、親近感を持って読み進めました。俳句と川柳における「笑い」の質の違い、俳句の持つ「切れ」という構造。俳句と川柳それぞれについて理解を深めるきっかけを与えてくれました。2014/11/19

サトル

0
学術文庫というジャンルを背負っているだけに、格調高く専門的な内容となっている。最後まで読み通して俳句と川柳の違いの真髄を堪能するにはいささか根気と努力が足りなかった。しかし俳句のルーツは発句、川柳のルーツは平句であり、収斂する笑いが川柳、瀰漫する笑いが俳句でもあり、季語のある川柳は存在しても切字のある川柳は存在しない、そして一部の俳人や川柳作家の唱える「俳柳一如」「柳俳一如」などというものはもってのほか、ということを肝に銘じる必要があるようだ。なんにせよ半可通で俳句や川柳を語るほど恥ずかしいものはない。2023/05/07

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