内容説明
人類は、分断と災厄を超えて、進化する―。壮大なスケールで描かれるサピエンスの全史。現代の困難を乗り越える鍵はここにあった!伝説の東大講義、遂に成る。すべてを進化の相の下に見よ!物質・生命・脳・宇宙…あらゆるテーマを綜合する立花人間学の集大成。
目次
すべてを進化の相の下に見る
進化の複数のメカニズム
全体の眺望を得る
人間の位置をつかむ
人類進化の歴史
複雑化の果てに意識は生まれる
人類の共同思考の始まり
進化論とキリスト教の「調和」
「超人間」とは誰か
「ホモ・プログレッシヴス」が未来を拓く
終末の切迫と人類の大分岐
全人類の共同事業
著者等紹介
立花隆[タチバナタカシ]
1940年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、文藝春秋入社。66年退社し、東京大学文学部哲学科に学士入学。その後ジャーナリストとして活躍。74年、『文藝春秋』誌に「田中角栄研究 その金脈と人脈」を発表。79年、『日本共産党の研究』で第一回講談社ノンフィクション賞受賞。83年、第三一回菊池寛賞、98年、第一回司馬遼太郎賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねこ
133
知の巨人の1人、立花隆さんの一冊。おもしろかったので2度読みをしてしまいました。テルヤード•シャルダン(1881-1955)の思想を1996年に東大で講義した内容の書籍化。随分前に読んだハラリ氏の「サピエンス全史」「ホモデウス」と通じる部分も多く理解しやすい内容でした。精神圏(ヌースフィア)のオメガポイント(特異点)がAIなのかシビュラシステムなのか、はたまた全く別の何かなのか興味は尽きません。人類が積み上げてきた知の財産を享受できる私たちは幸いな事だと感じました。先人に感謝し、後人に繋いで行かなければ!2022/07/09
徒花
115
おもろい。「知の巨人」と称されたジャーナリストが東京大学で行った講義を一冊にまとめたもの。テーマは「人間はどこから来て、どこへ行くのか」というもの。遺伝の話から宇宙の話、宗教の話、哲学、ITまでいろいろな方向に話が飛んでいきながらも、それらをすべて内包して「人間(と人間の作る社会)」がどこに向かおうとしているのか、その行き着く先を予見しようとする。これは『生物はなぜ死ぬのか』にもつながるような気がするけれど、キーワードは「進化」であり、マルクス・ガブリエルや斎藤幸平につながる話に感じた。2022/04/04
KAZOO
100
立花さんがご自分の著作などを書くときに調べたエッセンスが詰まっているような気がしました。それにしても結構内容が高度な気もしますが話し言葉で書かれているので理解したような気がします。また註釈も最後にまとめているのでは無きそのページにあるので読みやすいと思いました。人類の歴史と未来論が詰まった1冊でした。2022/06/01
あちゃくん
52
この本は約25年前の講義が元になっていて、内容が全然古びていないのがすごいなぁ。今を生きる人たちにも新しい視座を提供してくれる。2021/06/08
ころこ
44
著者はキリスト教徒だったはずで、シンパシーがあるのかも知れませんが、テイヤール・ド・シャルダンを全面展開しているのは頂けない。簡潔かつ理の通った論理の積み重ねにより大きな仕事をするモダニズムのひとだと理解していましたので、これではハラリなどのシンギュラリティものと区別がつかないのではと思いました。学生は文理融合の話として聞いているはずで、こんな際どい話をするのは百害あって一利なしです。学生の教育と実存を天秤に量り、目前にある死に対する超越性の気持ちを優先させてしまったのだと残念に思います。2022/01/09