内容説明
あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。
目次
人の心などわかるはずがない
ふたつよいことさてないものよ
100%正しい忠告はまず役に立たない
絵に描いた餅は餅より高価なことがある
「理解ある親」をもつ子はたまらない
言いはじめたのなら話合いを続けよう
日本人としての自覚が国際性を高める
心のなかの自然破壊を防ごう
灯台に近づきすぎると難破する
イライラは見とおしのなさを示す〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
308
本は健康保険みたいなものだとおもっている。一生のうちでほとんど読まずにすむひともいれば、ぼくみたいに、あってよかった、救われた、というひともいる。いまは元気でも、風邪を引けば医者へ行く。そのときに飲む薬というのが、またよく効くのである。そして長い人生、いつ故障が生じるかわからない。だからこその保険だ。この本に書かれていることは、どれも当たり前の常識ばかりだ。それが効くひとにはじつによく効く。願わくば政治家の必修科目に、などとおもってしまうのは、いまの世のなか全体が故障しているとゆうことなのかもしれない。2019/10/02
はっせー
250
本当に参考になった! 河合さんの本を読むのはこれが初めてであった。河合さんの文章は本当に分かりやすい言葉で書いてあって、本当に学者さんが書いた文章なのかと疑ってしまうくらいであった。分かりやすい言葉であるために心にすうっと入り込んだ。難しいことを難しい言葉で説明することは頭のいい学者さんなら誰でもできる。難しいことを分かりやすく説明するのは、難しいことをさまざまな角度で見ないとできないことである。このほんはそれが出来ていた。道草の話は自分にも当てはまり深く感動した!2020/01/07
ehirano1
245
「ふたつよいことさてないものよ」は無用に腹を立てない(≒幸せに生きる)ための呪文です。当方は「効果がなかった」場合が時としてあります(苦笑)。その時は松下幸之助の「それまたよし、ホトトギス」を唱え直します。それでもダメな場合は、・・・・・。2016/02/10
kaizen@名古屋de朝活読書会
229
臨床心理学者。「人の心などわかるはずがない」から「すべての人が創造性を持っている」という55の随筆集。あとがきに、常識は言葉にしにくい、常識を綴ったものとのこと。「ふたつよいことさてないものよ」という呪文が好きとのこと。新刊ニュースに1988年2月から1991年12月号までの連載にあたらに10ほど書き加え。解説:谷川俊太郎2013/07/15
Gotoran
200
55章の心に響くエッセイ。表面的な豊かさ・便利さの中で、当たり前の「常識」が希薄となっている今日、各項目が自らの心理療法家としての体験をベースにわかり易く味わい深い文章で書かれている。読後に種々感じ・考えることが出来、刺激を受けました。流石、講釈師、河合先生。“人の心などわかるはずがない”、”ふたつよいことさてないものよ”という呪文を唱えて、心を収めることにしよう!この本に出合えて良かった!2011/03/06