中公新書
富士山―聖と美の山

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  • サイズ 新書判/ページ数 247p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019820
  • NDC分類 291.51
  • Cコード C1221

出版社内容情報

日本人は富士山をどう眺めてきたか。不毛の山、信仰の山、反権力の山、ナショナリズムの山…富士山の比較文化史から見える日本の姿。

内容説明

頭を雲の上に出し…富士は日本一の山などと歌われる富士山。日本のシンボルとして誰にも馴染みがあり、社名や軍艦の名前にも使われたが、かつては草木も生えぬ不毛の山、火を吹く山として怖れられ、決して愛着を持って語られる存在ではなかった。富士山は、いつから歌に詠まれ、日本一の名山とみなされ、ナショナリズムの象徴とされるようになったのか。時代とともに変遷する富士山と日本人の関係を比較文化の視点で解読。

目次

第1章 富士山と日本ナショナリズム(「富士は日本一の山」か?;戦艦、爆撃機の名称に見る富士山;富士山とオテントウサマ丸;日本国内の富士山のライバルたち;古代における富士山のイメージ;須弥山思想と富士山;聖徳太子絵伝と富士山;役行者伝説;都良香「富士山記」)
第2章 中世の富士山―宗教の山岳として(延暦の大噴火;中国にも知られた神秘の山、富士山;修験道の次の目標の山、富士山;『更級日記』に描かれた富士山;富士修験のはじまり;実相時の創建;富士川と砂金;日蓮と富士山;村山の興法寺、富士修験;富士山の地獄;富士の巻狩;村山修験の衰退;和歌に詠まれたフイjさん;日記に記された富士、清見潟;富士を詠んだ漢詩;足利将軍の富士山見物;世阿弥の謡曲『富士山』、そして『羽衣』;雪舟の「富士三保清見寺図」;万里集九と雪舟;「富士三保清見寺図」と寧波文人の賛)
第3章 朝鮮通信使と庶民の信仰―江戸時代の富士山(織田信長の富士山見物;秀吉の「富士陣羽織」;朝鮮通信使と富士山;初期の通信使による富士山の記述;家光時代の通信使の描く富士山;三国一の山;池大雅と金有声;山水画としての富士山;富士講の発展;食行身録;大名の観察した富士講;山東京伝の『富士之人穴見物』;白隠の「富士大名行列図」)
第4章 富士山を見る近代のまなざし―幕末から明治へ(ケンペルの見た富士山;司馬江漢の描いた富士山;南画の富士山;葛飾北斎における富士山;オールコックの富士登山;明治維新と富士山信仰;リゾートとしての富士山)
終章 ひと味違った富士山ナショナリズムの見方(日本の誇り富士山『三四郎』;ラフカディオ・ハーンの富士山;ポール・クローデルの「松」;太宰治の『富嶽百景』;草野新平の詩集『富士山』)

著者等紹介

上垣外憲一[カミガイトケンイチ]
1948年長野県生まれ。東京大学大学院比較文学比較文化博士課程修了。国際日本文化研究センター教授を経て、帝塚山学院大学教授。専攻、比較文化、日韓文化交流史。著書に『雨森芳洲』(中公新書、1989。サントリー学芸賞受賞。講談社学術文庫、2005)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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