内容説明
特定の場において詠じられる歌は、個人的な感情とは別に、儀礼性に即した表現形式を必然とするが、歌集という統一性のある作品となる際、歌人の記憶や感慨において意味付けられ、再び選択・配列される。新たな原理に基づき編纂されたという視点から『紫式部集』を読み直す。
目次
第1章 『紫式部集』歌の場と表現(『紫式部集』冒頭歌考―歌の場と表現形式を視点として;『紫式部集』歌の場と表現―いわゆる宮仕期の歌の解釈について;『紫式部集』における女房の役割と歌の表現)
第2章 『紫式部集』の表現(紫式部の表現―宣孝の死をめぐって;『紫式部集』の地名―旅中詠考;『紫式部集』「数ならぬ心」考)
第3章 『紫式部集』和歌の配列と編纂(『紫式部集』における和歌の配列と編纂―冒頭歌と末尾歌との照応をめぐって;『紫式部集』離別歌としての冒頭歌と二番歌;話型としての『紫式部集』)
第4章 『紫式部集』の研究史
著者等紹介
廣田收[ヒロタオサム]
1949年大阪府豊中市生まれ。1973年3月同志社大学文学部国文学専攻卒業。1976年3月同志社大学大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。専攻・学位:古代・中世の物語・説話の研究。博士(国文学)。現職:同志社大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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