内容説明
日本社会に、何が起きているのか?社会階層論の視点から現代日本社会の不平等構造を考える。
目次
第1章 階級構造
第2章 アメリカ社会と階層研究
第3章 日本における階層構造の捉え方とその展開
第4章 社会移動と機会の不平等―第一世代の階層研究
第5章 階層研究における地位達成モデルの導入―第二世代の階層研究
第6章 移動表分析とログリニア(対数線形)モデル―第三世代の階層研究
第7章 制度と階層移動の媒介過程―家族的背景と教育達成との結びつき
第8章 日本と韓国における親の子どもの教育に対する関わりと学業達成
第9章 学校から労働市場への移行とキャリア形成
第10章 グローバリゼーションと労働市場をめぐる制度編成
第11章 東アジアの労働市場の制度編成と自営業への移動
第12章 国際移民と社会階層
著者等紹介
竹ノ下弘久[タケノシタヒロヒサ]
上智大学総合人間科学部准教授。1971年長崎県生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。修士(社会学)。日本学術振興会特別研究員、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所研究員、静岡大学人文学部准教授等を経て現職。専門分野は、社会階層論、比較社会学、計量社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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実際に分析を行う人、あるいは学生向けか。大半が分析手法の紹介に費やされており、一般読者としてはアプリケーション例をもっと期待してしまう。よく一冊に詰め込めたな、ってくらいの濃度。しかし、想定されるモデルに合わせて分析手法をくみ上げても、文化背景の異なる国では期待するものが正しく見えなかったりするのが如何にも社会学だな。2014/01/31
田中峰和
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韓国の教育期間は6・3・3・4年で日本と共通だが、高校段階で日本のように学力による振り分けは行われないらしい。それなのに、大学進学率は日本より高く、高校段階での受験勉強は過密にならざるを得ないのだろう。結果として、韓国の母親は塾選びなど学校外教育の選択に大きく関与する。高校間の格差が日本ほどないのだから、塾での学習こそ受験競争に勝ち残る手段となる。厳しい受験競争に勝ち残り、一流企業に入社しても40代になった途端に早期退職が待っている。そして仕方なく自営業に転じる人びと。厳しい国ですね。2014/02/11