内容説明
イスラームとキリスト教。同じ一神教的世界にありながら、その経済思想には重大な差異がある。イスラーム的貨幣論は「一」を意味する「タウヒード」の構造によって組み立てられ、徹底した唯一神信仰によって利子を厳禁する。一方、キリスト教的貨幣論は「三位一体説」にもとづく増殖性を秘め、資本主義と極めて親和的である。この両者の圧倒的な非対称が世界の現状を理解する鍵であり、イスラームは資本主義にとってその存在自体が一つの経済学批判であることを、『資本論』の核心である価値形態論を再構築することによって明らかにする。
目次
圧倒的な非対称
緑の資本論
シュトックハウゼン事件
appendix モノとの同盟
著者等紹介
中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。思想家・人類学者。現在、多摩美術大学芸術学部教授、芸術人類学研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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