出版社内容情報
二・二六事件では叛乱軍を欺いて岡田首相を救出し、終戦時には鈴木首相を支えた著者が明かす、天皇・軍部・内閣をめぐる迫真の秘話記録。
内容説明
首相官邸は、今日まで二度、機関銃の銃火にさらされてきた。二・二六事件と終戦の時である。いずれも昭和天皇が事態収拾のために、帝国憲法の枠組みから逸脱しかねない決断を下した時でもあった。前者の場合は、決起した部隊を「叛乱軍」として鎮圧する旨を指示し、後者においてはポツダム宣言を受諾するという「聖断」を下したのである。著者はその二度の偶然に、最初は岡田首相の秘書官として、二度目は鈴木終戦内閣の内閣書記官長として遭遇することになった。近代日本の歴史的な瞬間を目撃し、重要な脇役として参加した著者が、その体験を生々しく綴った迫真のドキュメント。
目次
第1部 二・二六事件とその前後(雪あかりに光る銃剣;遠き地鳴り;岡田内閣の成立とその苦悩;十一月事件 ほか)
第2部 終戦への苦脳(若烹小鮮;戦勢日に非なり;マリク大使を打診;宮城はまだ炎を上げて燃えている ほか)
著者等紹介
迫水久常[サコミズヒサツネ]
1902‐77年。東京生まれ。東京帝国大学法学部を卒業し、大蔵省に入る。その後、二・二六事件当時の岡田内閣の首相秘書官、日本の終戦を決めた鈴木内閣の内閣書記官長を務める。戦後は公職追放のあと衆議院議員、転じて参議院議員(全国区)になり、池田内閣の経済企画庁長官、郵政大臣を歴任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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