ちくま学芸文庫
哲学について

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480093509
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0110

内容説明

フランス現代思想を領導したマルクス主義哲学者、アルチュセール。本書はアルチュセール後期の思想を自らが総括した対話と手紙で構成されている。自身の思想を語りかけるように綴った本書は、晩年のアルチュセールが哲学と唯物論について何を、どのように考えていたのかを知ることのできる、唯一の文献である。マルクス主義哲学は実在するが、それは哲学としては提出されていない、という逆説。カトリシズムの救済の理念とマルクス主義の解放の思想との統合をめざした、孤高の哲学者の到達点を示す歴史的文献であり、またその思想の入門書ともなる一冊。

目次

第1部 哲学とマルクス主義―フェルナンダ・ナヴァロとの対話(一九八四年‐一九八七年)(編集者のノート;マウリシオ・マラムードへ;フェルナンダ・ナヴァロの序文 ほか)
第2部 手紙(一九八四年‐一九八七年)―「哲学とマルクス主義」の出版に関して、フェルナンダ・ナヴァロに宛てたルイ・アルチュセールの手紙 マウリシオ・マラムードへの手紙を冒頭に付す(編集者のノート;マウリシオ・マラムードへの手紙;フェルナンダ・ナヴァロへの手紙)
第3部 哲学の変革―グラナダ講演(一九七六年)(編集者のノート;哲学の変革)

著者等紹介

アルチュセール,ルイ[アルチュセール,ルイ][Althusser,Louis]
1918‐90年。フランスの哲学者。第二次大戦で5年の捕虜生活、戦後高等師範学校に復学し、バシュラールの下でヘーゲルを研究、のち同校の哲学教師に就任。65年『マルクスのために』『資本論を読む』を上梓、マルクス研究に「認識論的切断」という新しい視点を導入した。高等師範学校ではフーコー、デリダ、ブルデューら多くの俊秀を育てた

今村仁司[イマムラヒトシ]
1942‐2007年。元・東京経済大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ex libris 毒餃子

6
フランスのマルキシストの文章を初めて読みました。革命思想とは距離をおいている感じ。2018/04/08

ashigaru99

3
インタビューと手紙と講演が収められている本。観念論哲学者は汽車に乗る時始発駅と終着駅を知っている人だ、唯物論哲学者はアメリカ西部劇のヒーローのように走っている列車に飛び乗るような人だ、とアルチュセールは言う。実践という外部を真理によって従わせようとする観念論に「そうはいかないぞ、観念しやがれ!」と訴えかけてる本(だと思う)。ただしあらゆる人間的行為は言語活動と思考なしでは不可能で、観念の体系がなければ人間的実践はできないとも言っている。単純に「唯物的であれ!」と言ってるわけではない。ややこしいねどうも。2011/10/03

左手爆弾

2
アルチュセール晩年の記録。鬱病に苦しみながらのインタビューや書簡。これまでの自分の考えを振り返りながら、「偶然の唯物論」の輪郭を示す。対話や書簡なので、一問一答の形で、あまり難しいことは言わない。一方、アルチュセールは晩年になってハイデガーやニーチェを読んでいる。このあたりが、他のフランス現代思想の思想家と違って、文章が過度にわかりにくくならない所以か、などと思う。抗鬱剤の種類についていちいち書き出す姿は少しほほえましい。本書に書かれていることはすべて、妻を殺害した後のことだと考えると思うところはあるが。2016/01/31

瀧本往人

1
アルチュセールが数十年の歴史を経て到達したのは、「世界の形成以前には、無数のアトムが平行して真空のなかを落下する」(46ページ)という「エピクロスとデモクリトスの血筋をひく偶然の唯物論」(39ページ)であるという。http://ameblo.jp/ohjing/entry-11490118095.html2013/03/14

tubokabi

0
初アルチュセール。哲学の使命に実践を持ち込みつつも、イデオロギーの前提やら第一哲学的認識やらが散見されるのでやっぱりひと昔前という印象は拭えない2016/02/07

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