内容説明
フランス現代思想を領導したマルクス主義哲学者、アルチュセール。本書はアルチュセール後期の思想を自らが総括した対話と手紙で構成されている。自身の思想を語りかけるように綴った本書は、晩年のアルチュセールが哲学と唯物論について何を、どのように考えていたのかを知ることのできる、唯一の文献である。マルクス主義哲学は実在するが、それは哲学としては提出されていない、という逆説。カトリシズムの救済の理念とマルクス主義の解放の思想との統合をめざした、孤高の哲学者の到達点を示す歴史的文献であり、またその思想の入門書ともなる一冊。
目次
第1部 哲学とマルクス主義―フェルナンダ・ナヴァロとの対話(一九八四年‐一九八七年)(編集者のノート;マウリシオ・マラムードへ;フェルナンダ・ナヴァロの序文 ほか)
第2部 手紙(一九八四年‐一九八七年)―「哲学とマルクス主義」の出版に関して、フェルナンダ・ナヴァロに宛てたルイ・アルチュセールの手紙 マウリシオ・マラムードへの手紙を冒頭に付す(編集者のノート;マウリシオ・マラムードへの手紙;フェルナンダ・ナヴァロへの手紙)
第3部 哲学の変革―グラナダ講演(一九七六年)(編集者のノート;哲学の変革)
著者等紹介
アルチュセール,ルイ[アルチュセール,ルイ][Althusser,Louis]
1918‐90年。フランスの哲学者。第二次大戦で5年の捕虜生活、戦後高等師範学校に復学し、バシュラールの下でヘーゲルを研究、のち同校の哲学教師に就任。65年『マルクスのために』『資本論を読む』を上梓、マルクス研究に「認識論的切断」という新しい視点を導入した。高等師範学校ではフーコー、デリダ、ブルデューら多くの俊秀を育てた
今村仁司[イマムラヒトシ]
1942‐2007年。元・東京経済大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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