出版社内容情報
巨大地震のメカニズムはそれまでの想定とどう違っていたのか。地震理論のいまと予知の最前線を明快に整理し、その問題点を鋭く指摘した提言の書。
内容説明
また地震予知に失敗した!東日本大震災を経験して、だれもがそう思った。だが首都圏に、また南海トラフに、次の巨大地震が迫っている。予知をどうしたらよいのだろう。どのような方法が可能なのか。これまでの想定と異なる巨大地震のメカニズムに迫るためにも、広い領域からの発言が思わぬヒントになるかもしれない。そのためには、だれにもわかりやすい現状の全体像の提示がまず必要だろう。本書は、長年地震研究にたずさわり、噴火予知・防災の最前線に立ってきた著者が、地震理論の現状と問題点を整理し、今もって未完の予知科学へ新しい提言をする注目の書。
目次
1章 東日本大震災の教訓(地震発生時の経験;地震の大きさ;地殻変動と津波;予知のすれ違い;防災対応の問題点)
2章 予知の方法と歩み(何を予知するか;予知の基盤;予知の体制と方策;噴火予知の経験;前兆現象に基づく地震予知の試み;東海地震は予知できるか;阪神淡路大震災とその後の改革;注目される地震と火山)
3章 予知の科学(予知の可能性を考える比喩;地震の統計則;予測可能性とカオス;地震と破壊;地震発生場の性質と形成過程;噴火予知の科学)
4章 予知の展望(予知能力の評価;予知科学の推進;予知手法の刷新;予知体制の評価と改革)
著者等紹介
井田喜明[イダヨシアキ]
1941年、東京生まれ。東京大学物理学科卒業。同大学地球物理学博士課程修了。専攻は固体地球物理学。マントルの物性とダイナミクス、地震の震源過程のモデル化、マグマの移動や噴火の発生機構の理論などを研究。東京大学物性研究所、同大学海洋研究所、同大学地震研究所などでの教育・研究を経て同大学名誉教授。その間、日本火山学会会長、火山噴火予知連絡会会長も務める。現在はアドバンスソフト(株)研究顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
壱萬弐仟縁
owatarium
2n2n