出版社内容情報
物のかぞえかた、勝負の確率といった身近な現象の本質を解き明かす地球物理学の大家による数理エッセイ。後半に「微分方程式雑記帳」を収録する。
内容説明
「物のかぞえかた」「勝負の確率」「幾何学の道具」「振子十話」など、身近なことがらから現象の本質を考察した知的好奇心を刺激する数理エッセイ。著者は地球物理学(地震学)の泰斗で、寺田寅彦門下のひとりとして、師の精神を引き継ぎ「難しい問題を易しく解説」する。その軽妙で数学的センスに溢れた語り口には定評があった。前半部の数理読み物に続き、後半部では理工系学生向けの少々ひねりを利かせた「微分方程式雑記帳」を収録する。
目次
第1部 数学ずいひつ(クジラはワシよりも大きい;物のかぞえかた;風呂の数学;勝負と確率;王と江藤;ストロボとバーニア;平均・パーセンテージ;枡のパズル;幾何学的の道具;重心について;振子十話;振子十話(つづき))
第2部 微分方程式雑記帳
著者等紹介
坪井忠二[ツボイチュウジ]
1902‐82年。東京帝国大学理学部物理学科卒業。東京大学名誉教授。理学博士。自然人類学者・坪井正五郎の次男、寺田寅彦門下。「地殻の物理的性状に関する研究」で日本学士院賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
63
68年初出の名著の復刊。「数式を使わずに物理を説明する」と謳う本は、殆ど失敗に終わっている。むしろ、この本のように数式をふんだんに使って物理現象の不思議を解説してゆく方がよほど説得力がある。第1部「数学ずいひつ」では、お風呂の入り方・沸かし方、大相撲や王選手の成績などの身近な現象を、数学的に分析する面白さを味わっているうちに、自然と、先生の専門である地球物理学の話題に導かれていく。第2部「微分方程式雑記帳」では、微分方程式を用いて数学と物理の関係が論じられるが、丁寧な数式の展開を追いかけるだけでも楽しい。2020/09/24
にしがき
12
👍👍👍 二章を待たず、一章の後半で数式についていけなくなった。が、数式と数式の間の文章から、教科書的な考え方とは別の切り口で物理現象を見ているのだな、というのが感じられて、何やら面白い本を読んでいる雰囲気を味わえる。 (一章の前半は文系にも分かる範囲で、面白さを実際に感じられた。)2021/02/18