出版社内容情報
科学・産業が発達しようと避けられない病気に対し人間は様々な意味づけを行ってきた。「医療人類学」を切り拓いた著書による画期的著作。解説 浜田明範
内容説明
どれほど科学技術が発達しようと治らない病気はある。だからこそ人間は病気に強い関心を抱き、さまざまな意味づけを行ってきた。民俗医療や治療儀礼、宗教・民間信仰・シャーマニズムは、どのように病気とかかわってきたのか。本書では「病マケ」と呼ばれる家筋への差別構造、奄美のユタによる治療実態、明治期のコレラが引き起こした社会的混乱など、豊富で多様な民族誌的事例も踏まえつつ、文化と社会における病気に焦点をあて、総合的な文化人類学理論を構築しようとする。「医療人類学」を切り拓いてきた著者による先駆的名著。
目次
第1章 病気の意味づけ―病気のシンボリズム(病因論(病原論と病因論)
治療法 ほか)
第2章 病気と信仰(病気・治療・信仰;妖術と邪術 ほか)
第3章 病気と社会(「病マケ」―病気の社会的意味づけの一事例;コレラ流行とその社会的混乱 ほか)
第4章 伝統的社会における医療体系(江戸時代の痘瘡治療に見られる医療体系;奄美のユタ ほか)
第5章 病気と治療の文化人類学(医療人類学;「文化的疾病」と「病理学的疾病」について ほか)
著者等紹介
波平恵美子[ナミヒラエミコ]
1942年福岡県生まれ。九州大学卒業、米国テキサス大学博士課程Ph.D取得、九州大学大学院博士課程単位取得退学。佐賀大学助教授、九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)教授、お茶の水女子大学教授を経て、お茶の水女子大学名誉教授。専門は文化人類学、ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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