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内容説明
高麗の普覚国尊一然が、その最晩年に編んだ『三国遺事』は、十三世紀末の朝鮮半島に流布していた神話や説話の宝庫である。巫俗文化の古い要素と、一然の時代の仏教思想を反映した新しい要素が幾重にも重なる『三国遺事』をどう検証すべきか。その構成や特性、神払習合としての視点、日本の神話や琉球の伝承との比較など様々な方面から『三国遺事』を捉え直す。近代以降築かれてきた日韓の学問の壁を越え、両国の研究者が探る『三国遺事』研究の現在。
目次
『三国遺事』研究の始発と現在
仏教的想像力から編纂した『三国遺事』
一然と陳尊宿
『三国遺事』の編目の構成
『三国遺事』と日本神話―日光感精神話の行方
薯童謡―『三国遺事』の紀異篇「武王」条と弥勒寺の西塔の舎利記
『三国遺事』にみる道教と花郎国仙―李能和『朝鮮道教史』を手がりとして
郷歌に対する二、三の雑感
義湘大師と明恵上人―『三国遺事』と「華厳縁起」を中心に
『三国遺事』と琉球の伝承世界
徳川家蔵書目録に現れた『三国遺事』伝承
『三国遺事』の護国思想と万波息笛説話の「波」―新羅を襲った津波と神功皇后説話
『三国遺事』の構成とその特性
『三国遺事』における神仏の習合―帝釈信仰と護国思想
江原道の月精寺・神福寺址の夫人坐像を訪ねる―韓国の韋提希夫人か
『三国遺事』研究文献目録