出版社内容情報
鎌倉幕府三代将軍、源実朝が凶刃に倒れてから八〇〇年。
その非業の死は人びとの興味を引き付け、数々の史書、歌書、伝承のなかにその姿を留めてきた。
そして、現代。これほどの年を経ても、実朝への関心はいまだ失われていない。
わずか二十八歳で死んだ実朝はその生涯でいったい何をし得たのか。
また、語りのなかで、人びとは実朝に何を投影してきたのか。
歴史・文学・文化などの諸領域からの新知見を示し、日本史上における実朝の位置を明らかにする。
内容説明
鎌倉幕府三代将軍、源実朝が凶刃に倒れてから八〇〇年。その非業の死は人びとの興味を引き付け、数々の史書、歌書、伝承のなかにその姿を留めてきた。そして、現代。これほどの年月を経ても、実朝への関心はいまだ失われていない。わずか二十八歳で死んだ実朝はその生涯でいったい何をし得たのか。また、語りのなかで、人びとは実朝に何を投影してきたのか。歴史・文学・文化などの諸領域からの新知見を示し、日本史上における実朝の位置を明らかにする。
目次
鎌倉殿源実朝
建保年間の源実朝と鎌倉幕府
文書にみる実朝
実朝の追善
実朝像の由来
実朝の自然詠数首について
実朝の題詠歌―結題(=四字題)歌を中心に
実朝を読み直す―藤原定家所伝本『金槐和歌集』抄
柳営亜槐本をめぐる問題―編者・部類・成立年代
中世伝承世界の“実朝”―『吾妻鏡』唐船出帆記事試論
『沙石集』の実朝伝説―鎌倉時代における源実朝像
源実朝の仏牙舎利将来伝説の基礎的考察―「円覚寺正続院仏牙舎利記」諸本の分析を中心に
影の薄い将軍―伝統演劇における実朝
近代歌人による源実朝の発見と活用―文化資源という視点から
小林秀雄『実朝』論