内容説明
地震・火災・飢饉が繰り返し起こった激動の時代を長明は冷静な目で見つめ続けた。それから八〇〇年経った今、日本は再び天災と人災の時代を迎えている。これは、過ぎ去った出来事ではなく、現在の問題でもある。今だからこそ、もう一度読みたい『方丈記』の世界。原文とともに現代語訳も同時収録。
目次
方丈記(原文;現代語訳)
鴨長明を知る(鴨長明伝;鴨長明をめぐる人々;鴨長明の著作・概観)
問題点と新視点(五大災厄記事の迫真性の意味;天変地異の描写から;「都の巽」の『方丈記』;鴨長明と『方丈記』、二、三の考察;念仏者鴨長明;『方丈記』の表現)
受容と影響(『方丈記』が影響を受けた作品;方丈石と文人;『方丈記』と近代文学)
附 『方丈記』の諸本