出版社内容情報
中国には漢民族のみでなくモンゴル・チベットなど多くの民族が住み、また周辺には韓国や日本など中国文明の強い影響のもとで形成された国家が存在する。中国の歴史はこれらの様々な民族・国家が交流するなかで展開してきた点に注目し、中国史の流れを相互交流の視点から概説。また20世紀における中国の現状と今後の課題にも言及し、中国はこの先、世界の中でいかなる位置を占めていくのかを考えている。
1.中国とは何か
2.中国文明の形成
3.農耕社会と遊牧社会
4.分裂と多元化
5.隋唐帝国と東アジア
6.北方民族の台頭
7.元から明へ
8.明末の東アジアと清朝の成立
9.清朝の平和
10.近世の世界と中国
11.東アジアの近代
12.近代中国のナショナリズム
13.二十世紀の世界と中国 Ⅰ
14.二十世紀の世界と中国 Ⅱ
15.現代中国の諸問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐藤浩
2
高校の世界史知識を身に付けた人が、より学術的な内容へとを進みたいと思ったときにちょうど良い本。程よく中国史の通史が当時の研究を反映しながらコンパクトに説明してある。タイトルにある通り、東アジアのなかで中国という国家、歴史が如何に異民族異文化との交流の中で育まれてきたかということに主眼が置かれている。入門書にある通り参考文献表もしっかりしているのでこれ一冊でいくらでも広げられる。2013/02/18
くまパワー
1
岸本先生書いたため読む。やはり中国史入門の教科書としてすごく良いと思う。15講で東アジアの視点から長い中国史を紹介し、中にも中国や日本学界最近の研究成果を取り入れて、特に「中国とは何か」と「近世の中国」の2講は研究理論も分かりやすく紹介した。そして年表と地図がいっぱいあるし、時々史料も分析し、歴史学生にとってとても役に立つと思う。 2022/09/20
神宮司信也
0
最近の歴史学の成果が取り入れられ、かつ手軽に数千年の歴史を通覧できる点がいい。2014/08/09