内容説明
「都市計画に基づく難攻不落の武士の都」。このような鎌倉のイメージは正しいのだろうか。御家人の暮らし、北条氏邸宅のありか、寺院が多い理由等、中世の鎌倉の実像に迫る。従来のイメージを覆す、新しい鎌倉都市論。
目次
鎌倉と北条氏の時代―プロローグ
鎌倉の御家人
北条氏の邸宅をさがせ
鎌倉にお寺が多い理由
都市的鎌倉、鎌倉的都市
新しい鎌倉像―エピローグ
著者等紹介
秋山哲雄[アキヤマテツオ]
1972年、東京都に生まれる。1996年、東京大学文学部卒業。2002年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。2005年、博士(文学・東京大学)。現在、国士舘大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フランソワーズ
5
著者曰く、”ミクロからマクロ”。政や合戦する姿ではなく、御家人の”生態”をくだけた文章で追った、とても面白い本。無論読みやすいだけでなく、歴史一般書ではあまり光を当てられない側面(例えば、義時からの「小町亭」にみる戦略や、鎌倉寺院の解説など)は大いに参考になりました。2022/06/09
茶田
4
鎌倉に住んでいた御家人たちの姿が目の前に浮かぶかのようだった。読みやすく、題材も面白いものが多く鎌倉好きにはお勧めの一冊です。2010/09/26
吃逆堂
2
話の流れも文章も読みやすい。この本を片手に鎌倉を歩いたら、それはそれでおもしろそう(そのためには索引が欲しかった)。贅沢をいえば、南北朝・室町期以降への展望もあれば・・・。2010/11/25
あぎる
1
専門書だがウケを狙っている箇所もあり、肩肘張らずに読める。出仕をサボる御家人の話が印象的(小見出しが「そんな言い訳でいいわけ?」だ)。2020/10/08
Guro326
1
鎌倉検定終わっても惰性で読了。吾妻鏡から鎌倉各所の「位置」を特定する試み。新しい説がまだまだ出てくるようで、当分の間は「鎌倉のイメージ」が変化するんだろう。2012/11/28