内容説明
太宰文学の魅力は、その表現と文体にある。潜在二人称、女性独白体を視野に入れながら、小説の表現を中心に取りあげ、“彼自身”のものたらしめている表現特性、文体的特徴の具体的分析を通して、太宰文学が表現する空間の解明を試みる。
目次
第1部 太宰文学の表現空間(自閉する発話空間―「ひとりごとのやうに」の表現心理;「月のない夜」をめぐって;「死」の表現意識―直喩の構造を考える ほか)
第2部 芥川文学受容から太宰治へ(「右大臣実朝」論;「竹青」における「杜子春」との同調―終結部の試考;「庭」論)
第3部 太宰治へのアプローチ(二十一世紀旗手の文学―略年譜的に;それぞれの故郷―津島修治から太宰治へ;作品鑑賞のために ほか)
著者等紹介
相馬明文[ソウマアキフミ]
1953年、青森県生まれ。弘前大学卒業。小山内時雄教授、江連隆助教授(後、教授)に師事。青森県内の公立高等学校教諭として勤務、現在に至る。平成18年度から弘前大学非常勤講師も兼務する。青森県郷土作家研究会会員(平成15年度から事務局)の他、解釈学会、日本近代文学会、芸術至上主義文芸学会、日本文体論学会、遠藤周作学会などに所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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