和泉選書
賢治・南吉・戦争児童文学―教科書教材を読みなおす

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757606111
  • NDC分類 909.021
  • Cコード C0395

内容説明

宮沢賢治、新美南吉、今西祐行、安房直子、あまんきみこなど、学校教育の場で教材化され、よく知られた童話や児童文学のテクストを、スティグマ、ディスコミュニケーションなど社会・文化・制度などに関する知見を援用し読み直す。戦争・原爆・特攻隊を描いた戦争児童文学の他「千と千尋の神隠し」に関する論考も収載。マイノリティの立場から現代社会の問題を捉え、新たな世界像を提示。現代文学研究・文化研究へ接続する画期的な論集。

目次

宮沢賢治「よだかの星」論―「ある」ことから「なる」ことへ(教科書教材を読みなおす・1)
宮沢賢治「虔十公園林」論―仮構としての“虔十公園林”
宮沢賢治「なめとこ山の熊」論―賢治テクストにおける人間中心主義について
新美南吉「権狐」論―「権狐」から「ごん狐」へ(教科書教材を読みなおす・2)
新美南吉「屁」論―異化する石太郎
安房直子「きつねの窓」論―構造としてのディスコミュニケーション(教科書教材を読みなおす・3)
あまんきみこ「おにたのぼうし」論(教科書教材を読みなおす・4)
今西祐行「一つの花」論(教科書教材を読みなおす・5)
今西祐行「ヒロシマの歌」論―戦争児童文学のアクチュアリティー(教科書教材を読みなおす・6)
野坂昭如「赤とんぼと、あぶら虫」論―少年兵の形象について
あまんきみこの戦争児童文学―戦争体験の表象とその問題
小さき神々の声―宮崎駿「千と千尋の神隠し」から夢野久作「犬神博士」へ

著者等紹介

木村功[キムラタクミ]
1964年兵庫県生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程(後期課程)単位取得退学。現在、岡山大学大学院教育学研究科教授。日本近代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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マウンテンゴリラ

2
全体的に、児童文学というものを目的論として教育視点から捉えたものという印象を持った。私にとってそれ自体に異論はなく、むしろ大人としての独自視点、深読みなどをあえて持ち込むべきでないとも考えさせられた。一方、教育的視点を過度に持ち込むことの危険性についても考えさせられた。そのひとつに、宮沢賢治の童話における人間中心主義といったものがあげられるが、それは現在的価値から見た行き過ぎた批判であるように思われた。それよりも、賢治の童話にみられる非人間中心主義の歴史的意義を評価する方が自然ではないか。→(2)2018/06/21

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