内容説明
宮沢賢治、新美南吉、今西祐行、安房直子、あまんきみこなど、学校教育の場で教材化され、よく知られた童話や児童文学のテクストを、スティグマ、ディスコミュニケーションなど社会・文化・制度などに関する知見を援用し読み直す。戦争・原爆・特攻隊を描いた戦争児童文学の他「千と千尋の神隠し」に関する論考も収載。マイノリティの立場から現代社会の問題を捉え、新たな世界像を提示。現代文学研究・文化研究へ接続する画期的な論集。
目次
宮沢賢治「よだかの星」論―「ある」ことから「なる」ことへ(教科書教材を読みなおす・1)
宮沢賢治「虔十公園林」論―仮構としての“虔十公園林”
宮沢賢治「なめとこ山の熊」論―賢治テクストにおける人間中心主義について
新美南吉「権狐」論―「権狐」から「ごん狐」へ(教科書教材を読みなおす・2)
新美南吉「屁」論―異化する石太郎
安房直子「きつねの窓」論―構造としてのディスコミュニケーション(教科書教材を読みなおす・3)
あまんきみこ「おにたのぼうし」論(教科書教材を読みなおす・4)
今西祐行「一つの花」論(教科書教材を読みなおす・5)
今西祐行「ヒロシマの歌」論―戦争児童文学のアクチュアリティー(教科書教材を読みなおす・6)
野坂昭如「赤とんぼと、あぶら虫」論―少年兵の形象について
あまんきみこの戦争児童文学―戦争体験の表象とその問題
小さき神々の声―宮崎駿「千と千尋の神隠し」から夢野久作「犬神博士」へ
著者等紹介
木村功[キムラタクミ]
1964年兵庫県生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程(後期課程)単位取得退学。現在、岡山大学大学院教育学研究科教授。日本近代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ