内容説明
南北戦争後、戦死した男性労働者の穴埋めとして、また製造過程における機械化により、未経験の女性にもできる仕事が増えたため大量に出現した「ワーキングガール」は、19世紀後半のアメリカの社会現象として、出版業界にも大きな影響を与えることになった―。過酷な長時間労働に従事する「ワーキングガール」を読者対象にした安価な「大衆恋愛小説」を軸に、文学史からこぼれおちた「大衆と読書」の関係を浮き彫りにする。好評既刊『ダイムノヴェルのアメリカ』(彩流社)の姉妹書!
目次
第1章 ワーキングガールの物語
第2章 ワーキングガールの物語の原型を求めて
第3章 世界をめぐるロマンス
第4章 ワーキングガール(働く女性)からワーキングガール(売春婦)へ
第5章 読者としてのワーキングガール
第6章 ワーキングガールの物語のパロディとしての『シスター・キャリー』
著者等紹介
山口ヨシ子[ヤマグチヨシコ]
1986年、津田塾大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、神奈川大学外国語学部英語英文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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