内容説明
二十世紀の時間の記憶が見失われ、“終焉”言説が拡散するいま、どのような対抗的ヴィジョンが可能なのか―。日本語の構築と一体に進行した近代詩史を、蒲原有明、北原白秋らへの稠密な検証により再定位し、植民地主義の傷痕を伝える日本語文学の問題系から、朝鮮日本語詩、合州国移民詩の新しい風景をひらく。「現代詩手帖」好評連載を集成。百年に及ぶ“詩の時間”を凝視することによって、抵抗の論理を指し示す、渾身の力作評論。
目次
序章 二十世紀日本語詩を思い出す
第1章 蒲原有明を思い出す
第2章 北原白秋を思い出す
第3章 一九二〇年代詩を思い出す
第4章 朝鮮日本語詩を思い出す
第5章 合州国移民詩を思い出す
第6章 戦後民衆詩を思い出す
終章 石原吉郎を思い出す
二十世紀/日本語/詩の構想―あとがきにかえて
著者等紹介
坪井秀人[ツボイヒデト]
1959年生まれ。1987年名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。金沢美術工芸大学助教授、名古屋大学大学院文学研究科教授等を経て、2014年より国際日本文化研究センター教授。著書に『声の祝祭―日本近代詩と戦争』(名古屋大学出版会、1997、日本比較文学会五十周年記念大賞)、『戦争の記憶をさかのぼる』(ちくま新書、2005、やまなし文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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