内容説明
従来のクラシック音楽史が見落としてきた女性たちの豊かな音楽活動の歴史を、その実践がおこなわれた「場」―劇場・公開演奏会・学校・協会・家庭―に注目して史料から丁寧に掘り起こす。女性たちによる音楽の営みを浮かび上がらせるもう一つのクラシック音楽史。
目次
第1章 ジェンダーの越境者カストラート―劇場
第2章 家庭に鳴り響く音楽―家庭
第3章 女性職業音楽家の誕生―公開演奏会
第4章 開かれた連帯 近代イギリスの「女性音楽家協会」―協会
第5章 日本の学校教育を支えた洋楽と女性―学校
第6章 女性と音楽のたしなみの日本近代―家庭
著者等紹介
玉川裕子[タマガワユウコ]
1959年生まれ。桐朋学園大学音楽学部准教授。女性と音楽研究フォーラム代表。専攻は音楽文化史(とくに女性の音楽活動史、日本における洋楽史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cape
4
8人の子を育て夫の活動を支え自ら演奏家としても活躍したクララ・シューマン、弟に匹敵する才能がありつつも私的な場での音楽活動に留まったファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル、作曲家としては名を残せなかった松島彝……クララはともかく、夫・父・兄弟といった才能を最もよく知る身近な男性たちが、活動の支えとなりつつも彼女たちの名を残せなかった理由ともなるのがなんとも皮肉。 音楽は男子の仕事に非ず、からの、女性が音楽界で優位な立場を得そうになるや蚊帳の外に追いやる流れに目をひんむく。松島彝をNHK 朝ドラにしてほしい!2021/04/02
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