内容説明
16世紀から20世紀半ばまで。欧米人の日本語学習の動機を、史実から読み解く。
目次
第1章 大航海時代、イエズス会の方略―布教と言語
第2章 帝政ロシアの思惑と通訳の育成―日本語教育一一〇年の歩み
第3章 長崎出島とオランダ―ひそかに学んだ日本語
第4章 絹とジャポニスム―交易と美術、日本語が学ばれるとき
第5章 近代化の扉を開いた各国の日本語人材―開国前夜に始まる日本語学習
第6章 戦争がもたらす対日観と日本語教育―日露戦争と第一次世界大戦
第7章 広報活動と枢軸国の日本語教育―戦間期から大戦下にかけて
第8章 連合国の日本語教育と情報戦―戦間期から第二次世界大戦期をへて
著者等紹介
小川誉子美[オガワヨシミ]
岐阜県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、筑波大学大学院地域研究研究科修士課程修了。ソフィア大学、ヘルシンキ大学等を経て、横浜国立大学教授。専門は日本語教育学、日本語教育史。博士(政策・メディア、慶應義塾大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobu A
9
1億2千万人の母語であり世界で学習者数約4百万人の日本語。欧州のように陸続きに国が隣接せず、しかも長い鎖国も経験している日本。日本語がどのようにして今日の普及に至ったかを日本語教師(大学教授)の著者が紐解く。文化複合。言語と文明は共に伝播。それぞれ日本語に対する時代の需要があり様々な興味深い歴史が見えてくる。教科書もない時代に懸命に語学学習に勤しむ外国人、戦時中の日本語教師の使命感と葛藤等、当時の人達がどんな思いで日本語を学び、また教えたのか思いを馳せ浪漫を禁じ得ない。日本語教育の視点からの稀有な言語史。2020/07/06