内容説明
過去の作品に描かれたことば・心情・生活様式などを理解し、人間や社会の意味を求めようと模索する江戸時代の「知」の特徴とはどのようなものか。古代から中世に至る「古典」に向き合った、近世のさまざまな注釈の営みを読み解く。
目次
1 上代―理想郷への憧憬(「近世神話」からみた『古事記伝』注釈の方法―問題提起的に;構造化される神話―本居宣長における黄泉の位置づけをめぐって;近世の風土記注釈―唐橋世済の『豊後国風土記』注釈 ほか)
2 中古―みやびの希求(古典注釈の変容と展開―『女朗花物語』をめぐって;堂上の諸抄集成―京都大学附属図書館蔵中院文庫本『古今和歌集注』の紹介を兼ねて;『土佐日記』主題論の展開―『土佐日記解』秋成序文の受容 ほか)
3 中世―思想の探求(気韻の和歌―新古今朝『尾張廼家苞』の要諦;『百人一首』注釈史の江戸―「逢坂山のさねかづら」歌をめぐって;中世擬古物語『夢の通ひ路物語』蓬左文庫本頭注の方法 ほか)
著者等紹介
鈴木健一[スズキケンイチ]
学習院大学文学部教授。専攻は江戸時代の文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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