目次
第1部 言語の多様性と普遍性(連鎖推移と言語接触のインターフェイス―中央アジアの事例から;南アジア諸語における非顕在的動作主構文;日中語の名詞修飾構文の機能類型論―パラレルコーパスの分析に基づいて;コーパスデータに基づいた韓国語の「KES‐ITA」の用法;文末における話し手の心的態度の違い―韓国語の終結語尾(半言)と日本語の終助詞を対象として)
第2部 言語を学ぶ脳(日本語短距離かき混ぜ文の脳内処理機構;脳内における日本語文理解モデル;バイリンガルの脳内言語処理;言語・非言語コミュニケーションに関与する神経基盤)
第3部 言語のモデルと外国語習得(キューの連携・競合の観点から見た台湾人学習者における格助詞の習得過程―感情の対象を表す「を」「に」を中心に;「モ」の多少解釈と多義性;第二言語学習におけるアウトプットの役割;漢字認知処理における形態情報の影響)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
センケイ (線形)
5
英語も学びつつ日本語も興味の強い自分としてはやはりこれも嬉しい一冊だ。もちろん、様々な言語との比較や、学習の仕方を見ていくなかで、脳神経のどういった反応が見られるのか、他言語獲得のうえで母語の何を頼りにしているのか様々な事例が見られ、他言語獲得に対する直観が広がる。後者のような事例は、当書ではっきり書かれるわけでは無いが言語間の認識の仕方の違いのようなものが感じられて期待が膨らむし、いっぽうでどんな言語使用者も他動性といったイメージについて共通の認識を持っていることも垣間見え、興味をたいへんひかれる。2019/09/28