... フランドルのほうへいくのに使った道で、いまはパリでいちばん場末の通りです。ごたごたしていて、真っ黒な貨車が並んでいたりする。つまり、『フランドルへの道』というと、ひどく素敵なイメージを誘うのではないかと思いますが、実は、場末の乱雑さが ...

『フランドルへの道』『ファルサロスの戦い』『農耕詩』など、前衛的、実験的小説作品を発表した〈ヌーヴォー・ロマン〉の代表作家であり、ノーベル文学賞作家である、クロ ...

... フランドルへの道』や『歴史』を念頭において話してきたわけですが、あなたの作品系列を眺めてみると、一九五七年作の『風』においてかなり明瞭な技法上の変化が認められます、すくなくとも『フランドルへの道』からは文体の面でかなり変わってしまったと ...

... フランドルへの道』の執筆に関わるクロード・シモンの話を思い出した。「フランドルへの道』は十七、八年前に一回通読しただけで、全体が錯綜しているから、主人公が塹壕かどこかの中に何時間もいることとか、上官の死を語ることにだいぶ費やされている ...

... フランドルへの道』の構造を図示すれば、まず全体構造は、いわば地層の断面図のようなものになる、こんなふうにード・レシャックの死競馬騎兵隊の壊滅もうひとつは、円環模様を描くいくつかの話が、馬の屍という同一地点を三度通ることになるので、結局 ...

... 道』と枚挙にいとまがない。しかしこれらの小説と『フランドルへの道』は決定的に異なっている。以上列挙した小説に共通して見られるもの危険を前にしたときの人間の恐怖、虐げられ惨禍に巻きこまれた人々への憐憫、冒険的行動に身を賭けることによる人間 ...

... フランドルへの道』、フロイトーラカン クロード・シモンは『フランドルへの道』を書くときに、物語の系列ごとにピンの色を決めて、赤、青、黄緑、黒、白......のピンを、小説の最初から順に赤、青、その話を私はクロード・シモンが書いたエッセイで直接 ...

... フランドルへの道』に関してリカルドゥーが指摘しているように、文章の崩壊の背後にエロティックな秩序に基く言葉の再構成が読みとれるのである。これは『フランドルへの道』だけには限らない。初期の作品でもそのような傾向が見られたし、例えば ...

... フランドルへの道』『ル・パラス』『歴史』などが、白井浩司、平岡篤頓、岩崎力の三氏によって翻訳され、とくに一九六一年一月一五日号の本欄で紹介された『フランドルへの道』の平岡氏の訳業には、第三回クローデル賞が授けられ、少数ながらわが国にも ...