出版社内容情報
ヴィクセルの不均衡累積過程の理論を再構築し,新たな立場からケインズ的経済理論を展開.伝統的な「経済学的思考」への理論的挑戦であり,ケインズ主義者対古典派復活論者の論争の地平を超える.
内容説明
アダム・スミス時代から、経済学は「見えざる手」という神話を語り続けてきた。じっさい、経済学の歴史のなかで、だれもまともに「見えざる手」を見ようとはしなかった。もし価格が市場において現実に動いているのならば、それはいったいだれの手によって動かされているのだろうか?本書はこの「見えざる手」を見ようという試みである。
目次
序章 「見えざる手」から不均衡動学へ
第1部 ヴィクセル的不均衡動学(独占的競争企業の動学理論;予想の形成過程;不均衡累積過程の理論)
第2部 短期のケインズ的不均衡動学(ケインズの有効需要原理;ケインズ的不況理論とヴイクセル的恐慌理論―統合化の試み)
第3部 長期のケインズ的不均衡動学(ケインズ的賃金調整モデル;長期フィリップス曲線の「蚊柱」理論)